ところがいま、このような日本で販売されていないクスリ=未承認薬について、個人輸入こそ適法だが、「代行」は違法であるのはご存知だろうか。たんに、「違法」、なのである。
未承認薬をつかいたいのにつかえない、というドラッグラグ問題は深刻な問題だ。
しかし、厚生労働省の取り締まり担当者は、「個人輸入するのはあくまで使用者。〔代行業を広告販売すること〕、がすでに違法」と語気を強める。氏によると、
「インターネットで広告誘引することや、外国販売メーカーが客宛てじゃなくて会社に送る行為は違法です。薬事法違反で都道府県と連携して取り締まれる」
のだそうだ。
2010年2月、このような業者が逮捕されたニュースが大々的に報道されたが、取材からほんの1〜2か月後のことだった。摘発を見せしめのように感じた方も多いかもしれないが、厚労省は本気だったのである。
同省HPをみても、代行はつかうな、やめろ、と現在も広報中。
いっぽうの、ネット上のクスリの個人輸入代行業者は、「あくまで“注文の”代行」(某社)と主張するが、ネット業者のさらなる一斉摘発のXデーも近い?
そもそも、未承認薬を求めわらにもすがる思いの患者側。海外会社→代行業→有志の開業医→大病院→患者、という迂回路があるのは、いわば公然の秘密である。
それもだめならどうするの? という疑問の余地がありそうだ。(了)