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高橋四丁目の居酒屋万歩計(3)「肉の前川」(にくのまえかわ、立ち飲み)

 JR京浜東北線、りんかい線、東急大井町線・大井町駅から徒歩250歩

 やっぱりオウムである。漢字で鸚鵡。体長30センチあまり。羽は純白。トサカにちょこんと黄色を乗せている。主の自転車のハンドルに脚をしっかり絡(から)ませて、自主自立。もう一方の脚で、なんと、なんとですぞ、串を持って焼き鳥を食している。
 飲み込みがいいのは女性。子供も早い。成人男性が飲み込めない。男たちは、オウムが精肉店「肉の前川」の店頭で焼き鳥を食べている姿を、ドーシテモ飲み込めない。50男が一遍、この光景を見なかったことにして通り過ぎようとしたものの、今夜、悪夢にうなされたくなくてUターン。あんぐり口を開けて見ている。オウムは閉じているというのに。

 ウインナ焼きは、皮を嘴(くちばし)できれいに剥(む)く。串使いも上手で、肉はくるりくるりと回されて口の中へ。食事中、体は微動だにしない。お歳は? 昭和23年生まれ。一緒です。お生まれは? ほう、オーストラリア。輸出規制とかでお仲間がなかなか渡航してこない。いつもは何を召し上がってるの? 主食はカボチャの種、ときどきこちらへ。え、働いてらっしゃるの? CMのギャラが30万円! なんと、ご自分の預貯金でまだまだ「前川」の焼き鳥を頂けるはずだとおっしゃるか! 
 あまりのことに書き忘れるところでしたが、肉の前川さんは、地元で愛される精肉店の立ち飲み屋。飲ん兵衛たちには一目でわかる、丁寧な仕事のされたレアの鶏ササミと、焼き物一通り。豚カツなどを摘(つま)みながら極上のひとときを過ごせます。申し添えますが、オウムはけっしてあなたの串に手を出したりはしません。

予算2000円
東京都品川区東品川5-2-9

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