愛知県春日井市では10月10日、高校1年の女子高生(16)が車に跳ねられ死亡。春日井署が自動車運転過失傷害容疑で現行犯逮捕された会社員のライトバンを捜索した結果、脱法ハーブとみられる植物片を押収。堀田容疑者は「ハーブを吸って運転した」と供述している。また、7日も静岡県菊川市のアパートで、41歳の男性が自宅で脱法ハーブを吸って大暴れした揚げ句、死亡する事件も起きている。
注目すべきは、沖縄県の南大東島で起きた事件。薬物を台湾船籍の船から受けとり密輸したとして、10月4日に韓国人の男と地元の漁師が福岡、沖縄両県警に逮捕された。両県警では、南大東島の沖合で覚せい剤の瀬どりが行われるとの情報を得て内偵を進めていた。
「薬物は、脱法ドラッグの原料となる指定薬物でした。しかも20キロとハンパな量ではない。この事件に絡み、警察の動きを知った暴力団員が摘発を恐れ逃走を図りましたが、その後、南大東島のサトウキビ畑で自殺しているのが発見されています」(地元紙記者)
このことから見ても、脱法ハーブが拡散する理由が見えてくる。薬物捜査関係者が言う。
「暴力団がリスクの少ない脱法ハーブの市場に続々参入しているとみるべきでしょう。脱法ハーブといっても、実際は乾燥させた植物と薬物を混ぜた溶剤を混ぜ合わせ、水分を飛ばすだけ。“ハーブ”とは名ばかりで、香料を入れてニオイを付けているんです。ここ数十年、シャブの相場は上がっておらず、儲けが見込めない。しかし脱法ハーブに覚せい剤に似た薬物を使えば、まだ摘発のリスクが低い上、覚せい剤以上に儲かる可能性があると連中は考えているのでしょう」
さらに規制を強める必要がありそうだ。