有明アリーナを新設するとなると高騰する建設費の話も重要だが、ここへきて肝心の選手たちをシラケさせてしまう危険が出てきた。
「リオデジャネイロ五輪は史上最多となる41個のメダル獲得で国民が沸きましたが、球技は苦しみました。卓球、テニス、バドミントンはともかく、このままだと自国開催なのにバレーボール、サッカー、ラグビー、ゴルフなどは決勝進出が危うい」(体協詰め記者)
その中でも、バレーボールとサッカーの協会スタッフは上位進出の不確実性を伝えられていた。「東京でリベンジを」と一致団結していたが、両競技とも「監督問題」という一歩目でつまずいてしまっている。
「東京五輪で男子バレーボールの指揮を執る予定だった中垣内氏について、白紙撤回もあり得ます。サッカーは本命視されていた手倉森誠氏を日本代表のコーチにしてしまい、他候補者もクラブ監督の話を引き受けてしまった。候補者選びからやり直しです」(同)
中垣内祐一氏(49)が自動車事故を起こしたのは11月9日で、過失である可能性がある。第一報を知らされた際、日本バレーボール協会の林孝彦事務局長は、「大変残念」と答えるのが精一杯だった。
「中垣内氏を選出する理事会で『彼を推すのなら退席する』と言い放った理事もいました。過去の不倫問題もあり、国民的関心の高い東京五輪には相応しくないのではないかと。現役時代の人気は絶大でしたがね」(専門誌記者)
事故捜査の結果次第では、中垣内氏の次期監督就任は難しくなる。前女子代表監督・柳本晶一氏の名前まで聞かれるようになった。
「バレー、サッカーともに外国人監督になる可能性があります。指導者経験の浅い中堅、未知数の若手を抜てきするよりはメダル獲得の可能性は高まりますが、選手の気持ちが懸念されます」(前出・記者)
自国大会での敗戦となれば、その後の興行収益にも直結する。ただでさえ実力のない日本の男子バレー。視聴率と好感度がなくなれば、もう何も残らない。