「中畑監督の敵は、阪神だけではありません」(スポーツ紙記者)
21日の広島戦を落とした時点でのDeNAの順位は5位。4位の中日とゲーム差はゼロで、中日はすでに今季の144試合中138試合を消化し、自力でCS進出の可能性が消滅している。3位阪神とのゲーム差は6.5、阪神の残り試合数は8。一方のDeNAはまだ130試合しか消化しておらず、14試合を残している。14連戦というハードスケジュールは大きなハンデとなるが、数字的にもっとも有利なのは中畑DeNAかもしれない。
「いや、阪神、中日は戦力的に劣るDeNAに負けるのが恥だと思っています。DeNAよりも上の順位でペナントレースを終えなければ、メンツが丸潰れです」(プロ野球解説者)
DeNAは残り14試合のうち、中日と2試合、首位の巨人と5試合、最下位ながらリーグ最強打線を誇る東京ヤクルトとも2試合をこなさなければならない。
「23日、つまり14連戦の皮切りは阪神3連戦です。阪神は2位でペナントを終えれば、CS第1ステージの主催権を確保できます。球団は和田監督に2位浮上を至上命令として伝えています」(前出スポーツ紙記者)
その後、26日から巨人3連戦が組まれているが、マジック5(同時点)の状況からして、横浜スタジアムで優勝が決まる可能性が高い。当然ながら、巨人は総力戦で臨む。その後、DeNAはさらに阪神との2連戦という日程。ゲーム差なしの中日との2連戦は、阪神-巨人-阪神と、死闘8試合で疲労がピークに達したあとの10月1日からだ。
「谷繁兼任監督は8月にワーストの月間20敗を喫し、風当たりが厳しい状況にあります。前年4位よりも順位を下げて終わるわけにはいきません」(前出解説者)
DeNAにだけは負けたくない…。その利害関係が一致したのか、阪神と中日の両陣営から聞こえてくるのは「DeNA戦を確実に勝つ」の声。中畑監督は数字的には有利だが、もっとも厳しい状況に置かれているようだ。
「中畑監督は昨年オフ、成績不振を理由に退任を示唆し、球団が慰留した経緯もあります。球団は人気の同監督を引き止めたい。でも、成績不振を口にした以上、Bクラスでは本人も残りづらいはず。CS進出なら、中畑監督にも指揮官を続ける大義名分ができるのですが…」(球界関係者)
長年、最下位を指定席にしてきたDeNA。その弱いチームに負ける屈辱感は並大抵ではないという。意地だけは残っていそうな竜虎同盟は、一泡吹かせられるのだろうか。