前クールの同枠は、中居正広の『ナカイの窓』。中居とはプライベートでも交流がある華丸大吉にとっては、少なからずプレッシャーを抱えた船出だったといえよう。
同番組は、SNSであふれるウマイ話や真偽不明のネタ、確証なきウワサの数々に、“それって実際どうなのか?”という疑問を抱いて、身を持って体験するドキュメンタリー。「どうなの課」の「課長」が生瀬、「主任」が華丸大吉というスタンスで、芸人やタレントが撮ってきたVTRをスタジオでモニタリング。いわば、高みの見物だ。
しかし、VTR班は忖度ゼロの完全ガチ。“時間はかけるが、金をかけない”がベースとなっているため、アクシデントと疲労との戦いなのだ。テレビだからといって、成功や感動、体いいタイミングで企画が終了するとは限らない。それでも、20分ほどの長尺でオンエアしてくれるのだから、顔と名を売りたいタレントにとっては、オイシイことこの上ない。このチャンスを、殺すことで逆に生かした奇跡の芸人がいた。おばたのお兄さんだ。
おばたといえば、妻はフジテレビの山崎夕貴アナウンサー。フジの花形アナと食えないよしもと芸人の格差婚は、今なお話題だ。夫婦になって、まだ1年2か月。おばたが上げるInstagramには、仲睦まじい夫婦、ひょうきんすぎる山崎アナのほか、ハロウィンやクリスマス、新婚旅行を満喫する2人の姿が続々とアップされるため、山崎アナの好感度は上がる一方だ。
ところがおばたは、同番組の記念すべき初回(4月3日)、ガチで出鼻をくじいている。挑戦企画は、「タダのものを売ったら、実際いくら稼げるのか?」。スマホで撮った写真をネット販売すると、いくら売り上げられるかを試したのだ。すると、まさかの0円! 生瀬は「はぁ〜……」とため息をつき、スタジオは凍りついた。
この悪夢から、およそ1か月後にむかえたリベンジ(5月15日)。今度は、海岸でガラス片のシーグラスを拾って、売ってみせた。多い人で月に50万円、副業でも2万円は稼げるとあって、おばたは腕を鳴らす。
さまざまな海岸に出向き、1週間で8時間、およそ1・8㎏を拾った。これを色分けして、単色は100gずつ、15品に分け、レアカラーはまとめて出品。総売り上げは、やや控えめながらも3,000円に設定した。ところが……。結果は、200円。再びスタジオを微妙な雰囲気にした。
見事なまでにチャンスを殺し続ける、おばた。しかも、0円を200円に上げるという中途半端な右肩上がり。不運の王子。だが、そんなポンコツさも、山崎アナにとっては萌えポイントかもしれない。
(伊藤雅奈子)