「北極海に生息するシロイルカはとても賢く、社交性が高いため犬のように訓練することができます。ロシアに併合された元ウクライナ領クリミアのセヴァストポリには軍用イルカの施設があり、海底調査から海域防衛、外国人ダイバーの殺害、外国船への爆弾設置などさまざまなタスクの訓練をしています。実際、2013年には脱走したウクライナ軍所属のイルカ3頭(同国国防省は否定)が黒海で発見されるという事件もありました」(軍事ライター)
アメリカのサンディエゴにある海軍海洋生物プログラムでは、バンドウイルカやカリフォルニアアシカを海底に設置された地雷などの危険物捜索に使用している。現実に03年のイラク戦争時には、地雷撤去チームにイルカが動員されている。
過去にはスパイに間違われた動物たちがおり、世界の軍事では動物をスパイに使う事例が散見されている。
〇07年、イラン軍は核濃縮施設の付近にいた14匹の「スパイ・リス」を逮捕。
〇10年、紅海のほとりにあるエジプトの保養地シャルムエルシェイクで、サメによる襲撃が多発したが、テレビ局はエジプトの観光産業に打撃を与える目的で、イスラエルがサメにGPSをつけて操作していると疑った。
〇11年にはサウジアラビア当局が、高空を飛行していたハゲワシをイスラエルの諜報機関モサドによる偵察だと疑い拘束。
〇13年、エジプトで移動調査のための標識を付けたコウノトリが、スパイ道具と勘違いされて当局に拘束されるという事件が起きた。
これらは主に中東におけるイスラエルの諜報活動を警戒してのものだ。笑えるのは、米CIAがネコに盗聴機器を埋め込みワシントンDCのソ連大使館の盗聴を試みたが、このネコちゃんが大使館前の路上で、哀れにも車に轢かれて終了。1400万ドル以上を費やしたこのプロジェクトはパーになった。いやはやジェームス・ボンドもビックリだ。