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痛み悩みの相談室 ひざが痛んでも正座はすべき?

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提供:週刊実話

 ひざをそろえ、たたんで座る「正座」は日本古来の座り方だと思われがちですが、実はそういうわけでもありません。江戸時代まではあぐらがほとんどで、現在は正座でたしなむ茶道も、茶の湯を大成させた千利休のころはあぐらだったそうです。

 正座が浸透するようになったのは江戸時代中期以降からで、当時は「正座」という言葉はなく、「かしこまる」「端座」と呼んでいました。大名たちに足がしびれる正座をさせることで、将軍への刃傷沙汰を防いだともいわれています。正座は武士たちの作法でしたが、明治に入ると畳の普及とともに武士の作法に憧れた庶民層にも普及します。正座という言葉は1941年に文部省が修身の中で広めたのが始まりで、なにも正しい座り方ではありません。

 このように、正座は日本古来の作法ではないのですが、かしこまった場面では皆、正座をします。しかし、正座をするとひざ関節の内部の圧力が高まり、軟骨を痛めてしまいます。血流も一時的に低下するので、日本以外では「変わった座り方」とみなされています。

 そのため、ひざに痛みや障害を抱えている方は、無理に正座をする必要はありません。不安な場合は相手方に事情を話し、椅子などに座るようにしましょう。最近は、茶道でも椅子に座る「立礼式」が広まっています。「正座=正しい座り方」という認識は、着実に変わりつつあるようです。

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監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp

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