県庁舎に黒塗りの公用車が到着すると、出迎えた約2000人の職員から拍手と歓声が上がった。森田氏は「県民のみなさん、4年間どうか幸せになりますように」との思いを込めて庁舎に一礼し、得意のガッツポーズ。支持者からは「モリタコール」が沸き起こった。
緊張した表情で知事の椅子に座った森田氏は、「いや、意外と硬いなぁと思って」と苦笑い。「ここにいつもいるようじゃ、しようがねぇだろう!」と早く公務に取り掛かりたくてウズウズしている様子だった。
数日前、中曽根康弘元首相(90)を訪ねた森田知事は「君は直球で行き過ぎるところがあるから気をつけろよ」とクギを刺されたという。その不安は的中した。午後に行われた就任式では幹部職員約250人を前に激しくゲキを飛ばしまくる。
「知事になった以上、この千葉を日本一にしようと思っている。『お手並み拝見だ』という人(職員)は要らない。ここにいても意味ない。おぅ森田、やってやろうじゃないか! と熱くなる、オレはそういう人たちとやりたいんですよ!!」
壇上で熱く吠える森田氏に職員はタジタジ。リアクションの取りようもなく、会場は水を打ったように静まり返った。火の玉のごとく熱い森田知事と県職員の間には明らかな温度差が感じられた。
知事のイケイケぶりは記者団の前でも止まらない。就任後初の記者会見では「まずは予算が掛からない物産や観光地のPRから始めていこうと思います」と宮崎県の東国原英夫知事(51)を見習う考えを示した。その一方で、県が抱える2兆6000億円もの借金を「オレが作ったわけじゃないんですけどね」と一蹴り。さらに「全部なんて返せるわけないんです」とのブッチャケ発言まで飛び出す始末。あわや問題発言一歩手前だった。
堂本前知事から「モリタ流で大いに暴れてください」との言葉をもらった森田知事。その熱血手腕の真価が問われるのはこれからだ。