「私は都内のアパレルショップで働いているのですが、ある日、まったく面識のない男性から『これ読んでもらえますか?』と手紙を渡されたんです。突然のことに驚いたのですが、反射的に『ありがとうございます』と言って手紙を受け取りました。休憩中、手紙を読んでみると、そこには丁重な文体で私に好意を寄せているといった内容が書かれていました」
美希子さんはその時、前の恋人と破局したばかりだった。そして、手紙を渡してきた男性は清潔感もあり、顔もタイプだったことから、記載されていた連絡先に返信したという。
「メールが当たり前の時代に、直筆の手紙って、けっこうキュンとくるんですよね。それに字も綺麗でしたし、常識的な内容だったため、メールのやり取りをして、食事をすることに。そして、実際に会ってみても、とても印象の良い人で、それから数回のデートを重ねて、付き合うことになったんです」
だが、しばらくすると、男性は仕事の時間でもないのに、連絡が取れなくなることが増えていったという。
「後で連絡が取れたとしても『寝てた』とか『気付かなかった』と言われましたね。そんなある日、彼の車に乗ってデートをすることに。途中で彼がコンビニで支払いをしたいと言うので、私が1人、車に残ることになりました。その時、私は車を漁ってしまったんです。最近、連絡が取れないことで、女の影を怪しんでいたというのもあります。そして、ダッシュボードを開けたのですが、そこには、彼が私に渡したものとまったく同じ手紙が何枚も入っていたのです。中を開けてみると、文章まですべて一緒。直筆に思えた手紙も、コピーで量産したものだったようです。その時に、他の女にも、同じことをやっていたんだと知ってドン引きしました」
その後、美希子さんが手紙の件を問い詰めると、彼氏は必死に謝ってきたという。しかし、許すことができなかった彼女は、すぐに別れ話を切り出し、破局したとのこと。