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【戦国武将番外編(2)】生きている限り女は政略の道具に

 隆信の思惑通り、鎮光は秀の前にメロメロ。舅の隆信に対する警戒も緩んでいた。その隙を突いて龍造寺軍は蓮池城を急襲し、攻め落としてしまった。降伏してきた鎮光に対して、隆信は蓮池城を明け渡して僻地へ移るよう命じた。秀の前も必死で取りなそうとするのだが、
「うるさい。お前には関係ない!」

 隆信は聞く耳を持たない。義理の娘に情愛などない。利用価値がなくなれば、話をするのも面倒。さっさと消えていなくなれと、鎮光ともども僻地へと追いやった。

 この後、鎮光は隆信に反旗を翻して滅ぼされる。政略結婚とはいえ夫を愛していた秀の前は、深い悲しみの日々。夫の菩提を弔って余生を生きようとするのだが…そのささやかな願いも、隆信によって踏みにじられる。

 秀の前はまたしても政略結婚の道具として、上松浦党の当主・波多守鎮に嫁がされてしまうのである。女を死ぬまでとことん利用する。そんな隆信の無慈悲で極悪な気質が見てとれる。

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