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「ドラッグウォーズ -薬物汚染の闇を追う-」(6) クラブで“オール”する若者のスタミナ源

 違法薬物のケタミンと2C-1が蔓延している。ケタミンはかつての脱法ドラッグで、所持していても逮捕を免れた薬物。一時期、六本木で大流行したことがある。それが今、若者を中心に乱用されているというのだ。

 「ケタミンは動物の麻酔薬から作られる。服用すると、コカインに似た興奮、幻覚作用がある。水と一緒に口から摂取できるうえ、飲むと音楽の乗りがよくなるため、一晩中踊り明かす若者が手を出してしまう」
 こう語るのは麻薬取締部のOBだ。数年前に芸能人を逮捕した際、コカインを吸引していたと思われたのはケタミンだったという。
 「実は昨年、歌舞伎町の飲食店で中国人がケタミンを密売していた。億単位の売上だった。一方、2-C1は渋谷のセンター街で暗躍するイラン人が密売していた。ケタミン同様、2C-1も脱法ドラッグだったが、薬理作用が高いため、ケタミンは昨年初めに、2-C1は3年前にそれぞれ規制されたのです」(前出のOB)

 ケタミンは今、台湾や香港で大流行しているという。「現地の捜査当局が相当量を押収している。安くて薬理効果が高いため、目をつけた中国人マフィアが大掛かりに日本へ運んでいると見られます」(前出のOB) 

 一方、2C-1は合成麻薬MDMAに似た作用ある。
 「MDMAの8割方は覚醒剤が混じっている。2-C1にMDMAと近い作用があるということは、覚せい剤の作用があるということ。覚せい剤ほどではないにせよ、万能感や多幸感を与える薬物に若者が依存することは、クスリによって目の前の問題から逃れようとする子が多いということです」(OB)
 ケタミンも2-C1もそれだけで死に至るほどの違法薬物ではない。だが、依存傾向があることは間違いない。

 「これらの薬物を入り口に、強い薬物に手を出すのが怖い。若者が依存すると勤労意欲も失われる。早く手を打たないと蔓延が一段と酷くなる」
 OBはこう警鐘を鳴らしている。

(写真=浄化作戦の進む新宿・歌舞伎町。ドラッグの罠は消滅したか)

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