「米国では年内にも発売される予定です。この鮭は、米マサチューセッツ州にあるバイオテクノロジー企業、アクアバウンティ・テクノロジーズが17年前に開発したもので、成長が早いのが特徴です。野生の鮭が18カ月で0.2キログラムしか成長しないのに対し、同期間で1キログラム増える。同じ時間で5倍育つわけです。ミュータントサーモンの基本は、北米原産のアトランティックサーモンに、それより大型のキングサーモンと寒さに強いウナギなど、3種類の遺伝子を組み入れることで成長の早い鮭を作るのです」(科学誌ライター)
遺伝子組換え大国の米国では、これらに対する表示義務がない。一方、日本やEUをはじめ世界の約半数以上の国では、何らかの義務表示規則がある。こうしたことから米国の消費者は、遺伝子組換え鮭をフランケンシュタインにちなんで『フランケンフィッシュ』とも呼んで不気味がり、反対運動が活発になっている。
「とはいえ、日本での表示や流通規制は、EUのルールに比べてかなり緩い。今後、経済効率の追求という目的、構造に組み込まれていく畜産動物にも、このテクノロジーが導入されるのは間違いありません。例えば遺伝子組換え動物とは言えないが、ブタにホウレンソウの遺伝子を組み込み、体に良いとされる不飽和脂肪酸が普通のブタより20%も多い『ヘルシーピッグ』などはスタンバイの状況にあります」(同)
TPPで日本への売り込みも必至。食材偽装の話題が薄れたころ、またゾロどこかのレストランの『鮭児のマリネ カスピ海産天然キャビア添え』に、ミュータントサーモンとトビウオの卵が使われるかも!?