トレカはスポーツ選手やアニメキャラなどの絵柄がプリントされたカードで、収集、交換が盛んに行われている。マニアの間では1枚100万円近くの高値で取引されることもあるという。しかし、日本国内でのブームは少々陰りが出始めていた。
「市場的には急速に冷え込んでいる感があったのですが、そこへ中国人を中心とした猛烈な買い漁りが始まったんです。以前からまとめ買いをする韓国人などはいたのですが、今や日によっては開店前から店の外で待ち構えている若者たちもいる。彼らのほとんどが、中国人なんです」(大阪・日本橋のカード専門店店員)
東のオタクの聖地が秋葉原なら、西は日本橋。その日本橋に加え、外国人観光客が多く訪れる神戸・三宮のトレカ専門店街でも、ガイドブックを片手に片言の英語で店員とやりとりしながらカードを買い求める中国人男子が、ひっきりなしに訪れるというのだ。
業界の事情に詳しいカード店経営者の崔元孝雄氏は、こう語る。
「昨年秋頃には、ついに免税カードショップまで現れました。それだけ外国人の需要があるということなのでしょう。中国人のマニアが増えてきたのは昨年の夏ぐらいからで、2、3人のグループで来ては、パックのトレカを1人2〜3万円ぶん、ごっそり買っていきます。中国サマサマといったところです」
購入者の話によれば、中国では日本製のトレカが大人気なのだという。その目的は高値での転売目的もあるようだが、意外にもコレクション自体に価値を求める、まっとうなマニアが多いのだとか。
「一番人気は、日本でも大人気の漫画『遊☆戯☆王』のオフィシャルゲームカード。『遊☆戯☆王』は中国国内で粗悪なコピーものが闇で取引されるほどだったのですが、数年前に中国語版が正規のルートで出回るようになった。そこから、本家本元の日本製に関心が高まったようです。同じ持つなら日本版の方が格好いい、というわけですよ」(同)
まだまだ、われわれ日本人は“メイド・イン・ジャパン”に誇りをもっていい。