阪神球団の坂井信也オーナーは3月12日、大阪市内のホテルで開催された激励会でチームへの怒りをぶちまけた。
「激励会の席で言うような言葉ではないのですが、非常に危機感を持っています。心配を募らせております。各チームに比べて、調整というものが遅れているのではないかと…」
渋チンの阪神には珍しく、年俸3億円(+出来高)で韓国を代表するクローザー呉昇桓を、さらに4番候補としてマウロ・ゴメスを獲得しながらも、オープン戦では大きく低迷。このままでは開幕(3月28日〜)の巨人戦3連敗は避けられないと警鐘を鳴らしたのだ。
「阪神電鉄首脳にとって何より大事なのが、甲子園球場の客の入りです。昨季は2位だったものの、和田監督は地味で話題になり難い。そこで今なお人気の高い掛布雅之氏をゼネラルマネジャー付育成&打撃コーディネーター(DC)という、訳のわからないポストに就け、トーマス・オマリー氏を一軍打撃コーチ補佐に招いた。何でもいいからマスコミに話題を提供し、それを集客に結び付けようとしたのです。ところが船頭多くして…の故事ではないが、チームは混乱、ダメ虎に逆戻り。坂井オーナーは早々と危機宣言を発し、チームの大改造を示唆したのです」(阪神担当記者)
一般的にはこのような場合、球団トップは堅実路線に軌道修正するものだが、そこは阪神。新たな屋上にさらに屋根を重ねようとしている。またまた改造に乗り出し、選手たちが「アニキ」と慕う金本知憲氏を入閣させようと動いたという。
「アニキ」の愛称で慕われる金本氏が唯一「アニキ」と呼ぶ人物がいる。1学年先輩の清原和博氏だ。清原氏の引退試合では金本氏が花束を贈呈し、金本氏の引退試合には、清原氏が駆け付けた。
「2人の交流は高校時代から続いている。広陵高時代の金本は、入学前に1ファンとして甲子園球場に行き、PLの清原をスタンドで観戦したそうです。以来、ずっと清原を目標に努力を重ねてきた。筋力トレに取り組んだのも清原の影響です。2人の関係に強固な絆ができたのは、池口恵観法主という共通の師ができたからです」(スポーツ紙デスク)