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元貴乃花親方「横綱輪島」とダブる破滅への道

平成の大横綱、元貴乃花親方(46、本名・花田光司)はこの先、どうしようとしているのか。突然の相撲協会引退劇から早や3週間。様々な臆測が流れる中、いまだ明確な答えはおろか方向性すら打ち出せずにいる。横綱の第二の人生の成功例はごくわずか。その退職と時を同じくして亡くなった元横綱輪島のような、寂しい晩年にならなければいいのだが…。

 いまだ身の定まらない元貴乃花親方。10月11日夜には去年まで九州場所の宿舎にしていた福岡県田川市のちゃんこ料理店に姿を現し、これまで支援してきた後援者たちを集めて貴乃花部屋後援会の解散を宣言。そのあと、テレビカメラの直撃を受けて、こう言い切った。
「政治は出ませんよ。本当に、完全に出ません」
 と、いまだ根強く囁かれている来年7月の参院選出馬を否定。さらに、相撲解説者への転身についても、
「まったくないです。断言します。まったくありません」
 と、重ねてクビを横に振った。

 では今後、何をやろうとしているのか。
「ちびっ子と相撲に携わっている時が楽しいですね」

 このように元貴乃花親方は、子供たちの相撲普及を主眼に置いていることを匂わせたが、本気で相撲指導者になるつもりなのか。
「志は素晴らしい。しかし、それを実行するのは大変です。元貴乃花親方だって、メシを食っていかなければいけない。でも、子供たちの相撲指導だけでは食えない。どうやって日々の生活費をひねり出すのか。まだ46歳。これからの人生は長いですから、よほどしっかりした人生設計を立てないと破滅しかねない」

 相撲関係者たちは、こう言って警鐘を鳴らす。
 確かに、横綱経験者には独特のプライドや意地があり第二の人生の生き方は難しいとされる。一つ間違えば、その絶大な名声を利用しようと群がってくる輩に食い物にされかねない。かつて相撲協会を飛び出した後、保険の外交員や私立探偵、料亭の下足番などに身を落とし、最後は養老院で亡くなった元横綱もいた。

 この元貴乃花親方の引退から1週間後の10月8日、“蔵前の星”と言われ、自由奔放な現役生活を送った元横綱輪島が、がんによる衰弱で亡くなった。70歳だった。この輪島と元貴乃花親方との縁は深い。
「そもそも元貴乃花親方の父親である貴ノ花と母親の藤田紀子さんを結びつけたのは、輪島だったと言われています。貴ノ花は照れ屋で無口。だからデートのたびに輪島が同行し、仲を取り持ってキューピッド役を果たしたそうです。貴ノ花20歳、紀子さん22歳の時のことでした」(関係者)

 こうしたこともあって子供の頃から交流があった元貴乃花親方は、輪島が亡くなった後、「貴乃花応援会」の公式サイトに、思いを明かしている。
「夜に突然(自宅に)来られて、あっという間に残り香を遺して帰られるような輪島さんは、私の子供の頃の記憶を辿ると、宇宙人みたいな、それこそ天孫降臨されたような方でした。声帯の手術と治療をされていると聞きましたが、かすれながらに『こうじ、こうじ』と、元気にお声がけ頂いたことが思い出されます」

 また兄の花田虎上さん(3代目横綱若乃花)もブログを更新した。
「久しぶりに父と再会して昔話に花を咲かせているかもしれません。輪島さん、これまでありがとうございました」

 こんな輪島の第二の人生もまた、大成功だったとは言い難い。大相撲界にいた時は、史上7位の優勝14回などの実績がものを言い、それなりに一目置かれていた。しかし、退職後はプロレスラー、アメリカン・フットボール部の監督、テレビタレントなどを転々とした。
「退職のきっかけは金銭問題です。妹の経営する料亭の借金の担保に自分の所有する花籠の年寄名跡を入れ、相撲協会から2階級降格と無期限の謹慎処分を受けたのです。それだけに、退職した時点では、もう横綱のメンツやプライドはかなぐり捨てたんでしょうね。プロレスでは大相撲で格下だった天龍にいいように蹴飛ばされ、タレントでも『ワジー』と呼ばれていじられていましたから。でも、内心は忸怩たるものがあったんじゃないでしょうか。晩年はほとんど、退職後の話はしませんでした」(元後援者)

 最後に戻るところは、やはり青春時代を送った大相撲界。声を失った晩年の輪島も、遠縁にあたる幕内力士、輝がいる高田川部屋の稽古場を訪れては、
「そうだ、もっと押せ」
 と、身振り手振りでアドバイスを送っていた。

 元貴乃花親方も、尻をまくって飛び出しながら、大相撲界と決別することはなかなか出来ないようだ。その証拠に、東京都江東区の旧貴乃花部屋や福岡県田川市の元九州場所宿舎に設置してある丸い土俵は、いまもそのまま。土俵はどうするのかと聞かれた貴乃花親方は、次のように語った。
「(旧貴乃花部屋の力士たちが)迷ったり、思い悩んだりしたとき、四股を踏みにくればいい」

 しかし、もしかすると自分が日夜、踏んでいるのかもしれない…。

 いずれにしても、そろそろどこかに向かってスタートを切らなければいけない。

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