実は、この病気は手術が成功しても再発の可能性もあり困難な病態。その上、かなり進行するまで症状が表れないため、発見されにくく、「皮膚がかゆい」「尿の色が濃い」と訴え、黄疸が発症して検査を受けて初めて発見されるケースが多い。
しかし、治療や手術は血管や重要な臓器が入り組んだ部位にあるため、今のところ外科手術による切除以外、放射線療法や化学療法では完全な治癒は望めない病なのだ。
国立癌研究センターの癌対策情報センターによると「肝内の癌細胞を手術で切り取れると判定された場合でも、5年生存率は40〜50%ぐらい。また顕微鏡で見たレベルで、少し残っている場合では生存率は10〜20%」という見解を出している。
もちろん生存率については、「癌の進行度や治療内容別に算出されるし、患者の年齢や合併症などの影響を受けるため、ある一定の幅(5〜10%)をもたせているので、大まかな目安としてほしい」(同癌研センター)とも説明している。
川島さんの場合は手術が成功し、すでに仕事に復帰していると伝えられている。手術は最先端の腹腔鏡を使う、体に負担が少ない方法で行われたという。
報道によれば、川島さんは昨年夏の人間ドックで胆管に小さな腫瘍が見つかった。その時点で悪性か良性かは不明だったこともあり仕事を優先させていた。
しかし、一通りスケジュールをこなしたあと再度検査入院。医者の勧めもあって手術を決意したという。
本来、外科的治療が必要とされた場合、その代表的なものが開腹手術となるが、体への負担が大きい。川島さんが入院したのは、世界に先駆けて腹腔鏡(内視鏡の一種)を用いた手術を開発したパイオニア的な病院で、開腹手術と変わらない程の成果を上げている。
医療関係者は腹腔鏡手術について「手術は腹の左右やへそなど4〜5カ所に5〜10ミリの穴を開けるだけ。女優にとって傷痕が小さくて済むということを考えての決断だったのでしょう」と語っている。
総合医療クリニックを営む久富茂樹院長は、こんな感想を語った。
「川島さんも最初は腹部に違和感があったと思われます。この病気は、微熱や倦怠感、疲労がとれず、白目の部分が黄色くなったり紅茶のような色の尿が出る症状が表れる。定期健診をしていれば肝臓の数値が出るので、早めに病気に気付くことができます。川島さんは昨年夏の検査で腫瘍が見つかり、今年1月に12時間の手術をしたということですが、すぐ手術をしなかったのは、担当医が手術の時期を待てると考え、その上で慎重を期して長時間をかけた手術になったのではないでしょうか」