まずは、遺産相続が上手くいったかどうかを質問したところ、スムーズに行えたという人は全体の7割ほど。つまり約3割の人が、遺産相続の際に何かしらの不都合があったということになる。中には「大きな問題が生じて大変だったが、手続きを終えた」「問題が生じて手続きを終えられていない」という人もいるということがわかった。
実際にどのような問題が生じたのか。最も多かったのは「遺産分割の話し合い・協議」。相続税の問題が生じたケースは、わずか15%であった。つまり、問題が起きているのは相続税が生じるような大きな遺産相続のケースではなく、むしろそうでないケースで多いということのようだ。実際、今回の調査でも50%以上の方々が相続金額1000万円以下と答えている。
このように、思わぬ相続問題が起きる原因として考えられるのが、事前に相続に対する備えをする人が少ないこと。今回の調査でも7割の人が、時期が早い、家族の仲が良いので問題ない、話しにくい話題である、など様々な理由で、相続の話を避けていることがわかった。
では、相続トラブルを防ぐためにどのような準備を進めるべきなのか、りそな銀行 遺言サポートオフィスの曽我さんに聞いてみた。
「ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、りそな銀行は信託銀行のライセンスがあり、信託銀行として遺言信託や教育資金贈与信託など、信託を活用した相続に関するご相談を日本全国の支店で数多く受けております。相続トラブルは、総資産5,000万円以下の方に最も多いと、過去の統計で出ておりますが、その反面“うちには財産が少ないので、自分には関係ないですよ”とおっしゃる方も多数いらっしゃいます」と現状を語ってくれた。
ただ、「いざ相続が発生すると、資産の大小にかかわらず、相続の内容や配分によってのトラブルが多いことも事実です。円満な相続を実現するためには、生前のご家族との話し合いや専門家への相談など、準備すべき事は沢山あるのに、実際にはご準備されるケースが少ないことがとても残念です」とも。そして、「銀行は、相続対策については長年の経験とノウハウを持ち、第三者の立場でアドバイスが出来ることもございますので、お気軽に相談して頂きたいです」とアドバイスした。
相続の話題は、「話すきっかけが無い」、「話しにくい」という方が多いが、話題の教育資金贈与信託などの生前贈与の話題をきっかけに、将来の相続問題について話合いしてみてもいいのかもしれない。
【参考サイト】http://www.resona-gr.co.jp/resonabank/index.html
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