本誌編集部記事班のS班長(54)自らが、AGA(男性型脱毛症)の最新治療を“自腹で実践”するこの企画。薄毛のほか、包茎、早漏、勃起不全などの治療も行っている男性専門の医療機関、都営大江戸線新宿西口駅近くにある『ヒルズタワークリニック新宿院』(東京・新宿区)に突撃したのは3月末のことだ。
最初はいまひとつ乗り気ではなかったS班長だが、カウンセラーの方の話に次第に前のめりになり、「青春を取り戻す!」と決意を固めた。今回は、いよいよ頭皮に直接行う治療の1回目をレポートする。
初回の4月25日号では、一通りのカウンセリングと、頭髪の状態をマイクロスコープを使ってより細かくチェックしたところまでお伝えした。まずは、突撃する前のS班長の写真(本誌参照)を見ていただこう。
本人も自覚しているように、前頭部から頭頂部にかけてが“やや寂しい”のだが、解析の結果は『本数は申し分ないものの、平均毛径が同世代の平均より細い』とのこと。当然のことながら薄毛にもいろいろなタイプがあり、カウンセラーの方によると、「もはや手遅れ」の状態もあるというから、そういう意味ではS班長の自毛は、まだまだ“再生可能”との診断だ。
今回の通院治療開始までの1カ月間、S班長は“現在の状態”に適合するようにクリニックから処方された内服薬、外用薬、シャンプーのセットを“念を込めて(ちゃんと守って)”使い続けた。あらためてこれらを説明しておこう。
俗にいう『AGA』とは男性型脱毛症の名の通り“病気”である。しかし、放っておいて治るものではなく、進んだきり元へは戻ってくれないとても厄介なもの。薄毛の悩みとは、この毛周期のサイクルの異常により、髪の毛が残ってくれない状態を指すのだ。
この“悪さ”をする正体が、もともと体内にある男性ホルモンと酵素、この両方が結び付いてできるDHT(ジヒドロテストステロン)という物質。これらの“結合”を止める『フィナステリド』という薬と、毛がしっかりするように血流を良くしてくれる『ミノキシジル』という薬、この二つが、処方されたセットの中身である。さらに、フケやかゆみの原因である脂漏性皮膚炎を防ぐ抗真菌(カビ)薬のシャンプーがついている。
内服薬は1日1回服用、外用薬は毎日2回塗布、シャンプーに至っては、普段の洗髪の後、あらためて10円玉大を手に取り頭皮につけて1〜2分放置、十分にすすいだ上、最後にリンスやコンディショナーをしなければならないという三段工程だ。
随分と大変な習慣のように感じるが、本人は「慣れてしまえば苦にならない。それよりも毎日のこととはいえ、“実感”がないのがね…。始めたばかりで当然だけど」との感想。カウンセリングを受けたときにも言われたが「患者さんによって『発毛を実感できた』というところまでいくには、早い人で半年、周りの人が気付くのは、それこそ1年以上かかる場合もある」そうだから、もちろん、まだまだこれからだ。
「当院が施す『自毛再生治療』は、処方したこれらと並行して、失われた力を取り戻すための治療、具体的には頭皮の毛根直下に直接、成長因子を注入することです。毛髪は毛母細胞の増殖や分化によって発毛します。その際に不可欠なのが成長因子なのです。毛髪のサイクルを正常に整え、血流を良くし、患者さんの症状に合わせて配合した成長因子を注入することで、自毛をよみがえらせるのです」
“メーンイベント”でもある頭部に直接行う治療ということで、さすがに緊張の面持ちを隠せないS班長。「必ずフサフサになりますよ!」と励まし、いざ開始!
処置椅子に腰掛けると、まずはこめかみの上部、ちょうど額の真ん中の左右2カ所に麻酔が打たれた。
「しっかりと頭皮に成長因子を浸透させるためには、直接塗るだけではなく、この器具(本誌写真写真)の針を1ミリ〜1.5ミリ程度まんべんなく刺していく必要があるのです」
生え際から頭頂部にかけての“薄毛”の部分に“軽やかに”あてがわれるたびに、針が1秒間に何回もチクチクと頭皮を刺すのだという。麻酔をしているとはいえ、見るからに痛そうだが…。思わず「痛いですか」と聞いてみた。
「うん…。思っていたより痛いかな…、というよりもチクチクして痒い感じ」とS班長。
先生曰く、「麻酔の効き目の少ないところだと、多少はチクチクするかもしれません。何をされているのか、完全に感じなくなるまで麻酔を効かせてしまうと、6時間くらい寝てもらわなければならないので…」とのこと。
治療時間は、わずか15分ほどで終了。チクチクやられる本人にしてみれば、何とも長く感じられただろうが、いかにも効果がありそうなのは間違いない!
「今日は洗髪は避けてください。少し赤くなったところは、すぐに戻りますから安心してくださいね」
この通院治療は1カ月に1度のペースで続く。処方される薬も、もちろん並行して継続だ。
S班長の『AGA最新治療』は始まったばかり。次回のレポートでは、少しは“実感”をお伝えすることができるだろうか−−。
乞うご期待!(続く)