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専門医に聞け! Q&A 歯並びを保持するためには頬の筋肉が大切

 Q:虫歯を長年治療しなかったため、上下左右ともに奥歯はほぼ全滅です。一応、ブリッジを装着したり、一体型の入れ歯をして、現在は治療をひと通り済ませ、すでに3年がたちました。こういう状態のせいでしょうか、下の歯の中央が詰まります。時々、さらに歯と歯が詰まってくるのもわかります。歯医者さんには、改善するには奥歯をインプラントにするしかないといわれました。ほかに、何かよい方法があれば教えてください。(35歳、運送業)

 A:歯と骨、顎の骨格について簡単に説明すると、歯は歯槽骨という骨によって支えられています。それは、歯の下にあるもの。顎の骨は上が上顎骨、下が下顎骨で、いずれも骨体部と歯が植わっている歯槽骨とに分けられます。
 歯槽骨は、歯根が顎の骨の中に入っている部分の骨。歯は表面に出ている部分を歯冠といい、歯肉に埋まっている部分を歯根といいます。
 さらに、上顎骨、下顎骨は首の骨(頸椎)とかかわり合っています。以上のような仕組みのなかで、歯は存在しているのです。

●歯が抜けると歯並びのアーチが崩れる
 歯並びはアーチを描いており、歯と歯が拮抗することによって保たれています。どの歯であれ、失われたまま放置しているとバランスが崩れ、アーチは狭くなります。
 ご質問の方の場合、奥歯がかなり欠けているようですから、空いたところを埋めようと残りの歯が接近しようとします。だから、アーチがますます狭くなってきたのでしょう。
 インプラント治療を受ければ、失った歯を取り戻すことができ、正常なアーチを回復することができます。
 しかし、インプラントをしないなら、うまく折り合っていくしかありません。
 しかし、歯と歯が詰まってくる感じは、自分でかなりコントロールできます。

●頬の筋肉ストレッチ
 実は、歯並びを保持するには、頬の筋肉の働きも関係しています。
 ですから、頬の筋肉を鍛えるストレッチを行えば、歯と歯が詰まってくる感じは相当解消できます。
 普段、頬の筋肉を使うのは、しゃべったり、笑ったり、物を食べたりするとき。それに、トレーニングを加えるのです。とても簡単で、口を「イーッ」と大きく左右に引く動作をくり返すだけ。
 これを朝晩の歯磨きのときや、歯が詰まってきたと感じたときにしっかり行えばいいのです。
 即効性があるので、行ってすぐ、嫌な感じが解消するのが実感できるはず。
 ただし、効果はさほど持続しないので、毎日、定期的に行うようお薦めします。

山田 晶氏(飯田橋内科歯科クリニック副院長)
骨盤療法(ペルピックセラピー)で著名。日本歯科大学卒業。歯科の領域から骨格に関心を持ち、骨盤のゆがみに着目。骨盤のゆがみを自分で取る方法として、腰回しの普及に努めている。

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