「統一球問題が発覚した直後、加藤氏は事務局に日参していました。それまでは1週間に1度しか来なかったのに。でも、しばらくたったら、また来なくなりました」(事務局関係者)
そうはいっても、外務審議官や駐米大使を歴任したインテリである。1週間に1度の出勤で“月収200万円、ハイヤー付き”はムカツク話だが、大人の振る舞いとして後任選びにメドが立ったからこそ、辞意を表明したと見るべきだろう。
「次のコミッショナーも畑違いの知識人を迎えることになると思います。ただ、相手も予定があるので早期着任はない。ペナントレース優勝のセレモニー、クライマックスシリーズ、日本シリーズは“コミッショナー不在”となりそうです」(ベテラン記者)
こうした諸々のコミッショナー職務は、今年のオーナー会議議長の宮内義彦・オリックスオーナーが代行するというが、近く第三者委員会が発表する統一球問題の調査内容について、同委員会メンバーの弁護士が、12球団実行委員会でも尽力しているオリックスのM氏(宮内氏とは別)の知人だったことが判明。発表後の労組・選手会との衝突は避けられそうもない。
「知人だからといって調査が甘くなることはないでしょうが、内容にかかわらず、選手会はかみついてくるとの見方が支配的です。それを足掛かりに、コミッショナー事務局の人事や運営にまで口を挟まれたら収拾がつきません」(同)
CS、日本シリーズで、選手会が“実力行使”に出る…。その可能性は捨てきれず、表向き“内定”といわれる次期コミッショナーについても、12球団各経営陣の思惑が噴出すれば“空中分解”さえあり得る。
やりたくもない加藤氏の擁護までさせられる宮内オーナーが、爆発しない保証はない。