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“延長戦撤廃”“9回打ち切り制導入”の裏に隠された「プロ野球くじ」の黒いカネ(1)

 プロ野球オールスターゲームの第1戦(東京ドーム)が開催された7月17日、都内のホテルで9年ぶりに「監督会議」が開かれた。
 同日は「労組・プロ野球選手会総会」も行われ、会場こそ違うが、日本球界のリーダーたちが、それぞれ“密室”に籠もって会合していたのである。
 スポーツ紙デスクが言う。
 「今回の監督会議は、熊崎勝彦コミッショナーの呼びかけで決まったのですが、これは異例中の異例の事態です。というのも、オールスター期間中は、後半戦のチームの立て直しに向けて、監督自身のクビをかけて戦略を練る大事な時期。それを無視して全監督を集合させたところに、よほどの緊急性と“秘めた意図”が透けて見えるのです」

 この監督会議の最大のテーマは、熊崎コミッショナーが就任時から推進してきた「試合時間の短縮」だった。
 元東京地検特捜部長の熊崎コミッショナーは、かねてより「3時間を超すダラダラした試合がファン離れの要因だ」と見ており、テレビの地上波放送に合わせ、全試合6時半開始、9時終了という理想を掲げている。
 これに対し、座長を務めたDeNAの中畑清監督は“総論賛成”とした上で、「無駄な時間とは何かということを意見交換し、理解し合う時間になった」とコメント。徹底してスピードアップを図ることを申し合わせたという。
 「これまでは、野球は“球試合(だましあい)”などと言ってはばからず、『試合時間が長くてなぜ悪い』と反対する球界の長老たちもいて、なかなか慣習を打ち崩せなかった」(某球団幹部職員)

 しかし、ソフトバンクの孫正義オーナーをはじめ、楽天、DeNAなどの若手オーナーの台頭で状況は一変。ある球団幹部からは、「三振をストライク3から2に減らすとか、四球を4から3に減らせばいい」などという“迷案”も出るほど様変わりしている。
 「しかし、これはメジャーリーグの規則にならう日本のプロ野球界では実現不可能。そこでひねり出したのが、延長戦撤廃の“9回打ち切り案”なのです。まだ公には誰も口にしていませんが、監督会議でも密かに協議されたようです」(同)

 この“9回打ち切り制”の表向きの理由は、熊崎コミッショナーが提唱する「時短で人気回復」だが、真の狙いは別にあるという。
 広告代理店の関係者が声を潜めて語る。
 「球界首脳はこれまで、興行的にサッカーのJリーグを見下していました。ところが、新国立競技場の建設費が2520億円になるという報道を受けて、あることに気付いた。その財源として、年間総売上が1107億円のサッカーくじ『toto』が検討されていると報じられると、“これがプロ野球に導入されれば、その何倍も売れる”と算盤をはじいたのです」

 とはいえ、過去に「黒い霧事件」を経験した球界には、『プロ野球くじ』の導入に拒否反応を示す根強い抵抗勢力があったという。しかし、前述のようにオーナーの世代交代が進み、一気に導入に向けて走り出したというのだ。
 「この問題の話し合いが、今回の監督会議の“裏の目的”だったのです」(同)

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