「小池氏の石原氏に対する怒りは、ここへ来て頂点に達している。本来であれば公にすることに違和感のある石原氏への質問と回答をすべて晒したことでも、その怒りのほどが分かります。小池氏は、作家としても、政治家としてもレジェンドだった石原氏の晩節を汚したくないという思いで対応してきましたが、裏切られたわけです。新聞のコラムで訴える姿にも、堪忍袋の緒が切れたようです」(小池氏周辺関係者)
小池氏を激怒させた質問状と、その回答の一部はこうだ。
Q 土壌汚染対策費において、都が858億円、東京ガス78億円負担の経緯について。
A「今思えばアンフェア。ただ、判断を求められることがなく分かりません」
Q 盛り土がなくなった経緯は。
A「全く記憶がない。判断能力がないから担当職員と業者が実質決定していく」
Q 知事の道義的責任。
A「専門的な内容の事項について道義的責任をご質問いただくことに、いささか複雑な思いを感じている」
これらの実質ゼロ回答に加え、小池氏がブチ切れたのが、10月17日付産経新聞のコラムだった。
そこで石原氏は《築地市場移転先の豊洲の地にさまざまな不祥事が発覚しそのとばっちりが前々々任者の私にまで及んできて、ただの推測を元にした私自身の名誉にかかわりかねぬような中傷記事が氾濫し、心痛で健康まで損なわれた》などと完全な被害者面。さらに《小池新知事もことの経過に強い関心を持ちその究明にのりだしてはいるが関係者の記憶はまばらで、事は芥川の小説ではないがまさに「藪の中」の印象》と、まるで他人事のように綴っている。
前出の関係者が言う。
「質問状の回答と新聞コラムで小池氏は、石原氏を徹底追及する腹を括った。東京、福岡の衆院補選でも小池旋風で応援候補が2連勝し、乗りに乗っているだけに、百条委員会設置に内心は反対の都議会自民党も逆らえない。そんな中、石原氏の招致は必至です」
百条委員会の設置については、元特捜検事がこう語る。
「委員会でも石原氏は知らぬ存ぜぬを通し、都民ばかりか全国民を呆れ返らせることは目に見えている。偽証で法的罰則を科せられる可能性も高い。そうすれば当然、石原氏が築いてきた政治家としてのキャリア、さらに芥川賞作家としての名誉と地位は、奈落の底に落ちる」