「浅田は各企業との契約途中で長期休養に入りました。このセミリタイアしていた時期の分を、各企業関係者は取り戻そうと意気込んでいますが、世界のトヨタが相手では現状継続が精いっぱいかもしれません」(名古屋在住記者)
トップ選手の引退、セミリタイアは大きな痛手となる。経済事情が異なるため一概には比べられないが、同年齢の永遠のライバル、キム・ヨナを失った韓国では3兆ウォン(約3000億円)の経済損失があったという。
そのキム・ヨナは次回冬季五輪・平昌大会(韓国)で、広報大使を務める。平昌大会が競技施設の建設も滞るなど行き詰まっているのは既報通りで、もし「ライバルの浅田がキム・ヨナと手を取り合って金メダルを目指す」の図式となれば、日本企業が同大会を援助する可能性も出てくる。そんなキム・ヨナ周辺の事情も、今回のカムバックにつながったようだ。
「荒川と浅田の関係、ブランクによる実力減はキム・ヨナともにある。いくら人気があっても、競技引退後の活動に影響が出ることは浅田自身も実感しているようです」(スポーツ紙記者)
とはいえ、浅田の復帰を最も望んでいたのは日本スケート連盟だ。同連盟が開示する正味財産によれば、浅田がシニアデビューした'06年6月時点では、約4億6000万円。だが、浅田がソチ大会を終えた後の'13年6月には13億円強に膨れ上がっている。現金預金も9億円ほどまで増えた。まさに“浅田バブル”なのである。
「各競技を支援する文科省のマルチサポート事業が見直され、女子フィギュアはトップのAからCに格下げされました。Cとは、メダル獲得の見通しナシとの評価です。男子はAを維持しましたが、中心選手の羽生結弦を公私にわたってサポートしているのが、元フィギュア強化部長の城田憲子氏。城田氏には'06年の不正会計問題で連盟の理事を引責辞任した過去があります。連盟は羽生の活躍を喜びつつも、城田氏の復権を快く思っていません。再度の浅田バブル、城田阻止のためにも浅田を呼び戻したかったのです」(前出・関係者)
浅田はソチ五輪のフリー演技が完璧だったため、燃え尽き症候群になって休養が長引いた。さらに、平昌五輪を目指すとなればルールに従い、予選から戦わなければならない大会もある。
“カネとオンナ”に振り回される真央−−。未婚出産後に復帰してズタボロになった安藤美姫の二の舞いにならなければいいのだが…。