先場所、白鵬は4場所ぶりに36回目の優勝をしたものの、危険なダメ押しや横綱らしからぬ立ち合いの変化を見せ、千秋楽の表彰式では館内の大ブーイングを浴び大粒の涙を流した。
「稀勢の里が1差で激しく追い上げていましたからね。ブーイングを飛ばしたファンにすれば“横綱がなんだ、そんなにまでして優勝したいのか”と思ったのでしょう。これで白鵬は、モンゴル相撲で6回優勝している父親に並んだという思いもあって、いろんなものが込み上げてきたと話していましたが、あんなことは初めて。相当ショックだったんじゃないでしょうか。あれ以来、すっかり元気がなくなってしまったのです」(担当記者)
20日に打ち上げた春巡業でも、最後まで稽古らしい稽古はやらずじまいだった白鵬。それどころか、9日の藤沢巡業(神奈川県)から5日間も腰痛を訴えて朝稽古や取組からも外れていた。連日のバス移動で、ずっと座席に座って膝を曲げていたため、「腰(の筋肉)が硬くなってしびれた」そうで、「(30代になって)体調が変わってきている」と苦笑いしていたが、これまで“無事これ名馬”を印象付けてきた横綱だけに、こんなことは珍しく、報道陣を驚かせた一幕も。
常勝横綱もいよいよ肉体の曲がり角に差しかかったのか…。
そう言えば、20日付の自信のブログでは、ひと足先に引退を表明していた。
「本日をもって力士会会長を引退します。新会長には日馬富士がなります」
こう綴って、6年間務めてきた力士のリーダーの座から降りたのだ。春場所前は、8月の夏巡業が終わったら勇退することを表明していたのだが、それがどうして4カ月も早まったのか。ブログには、詳しいことは書かれていなかったが、もしかすると、急速にやる気を失ったのかもしれない。
「26日の力士会には、二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)ら協会幹部が乗り込み、力士全員に改めてダメ押し厳禁を通告した。力士会会長のままでは面目丸つぶれですからね。その前に辞めてしまえ、ということになったのかもしれません」(協会関係者)
心も体も下降線。果たして、白鵬は大丈夫だろうか。