「中島以外にも日本帰還の可能性が高い選手がいます。渡辺俊介、和田毅、藤川球児らがそうです。阪神はシーズン途中に、やはり前ヤンキースの建山義紀を獲得しましたが、本命は渡辺でした」(プロ野球解説者)
同じく、13年に渡米した藤川だが、今季終了と同時にカブスとの2年契約が切れる。残留できないとなれば米球界で新天地を求めるだろうが、米球界での評価はあまり高くない。日本球界に帰還せざるを得ない状況に追い込まれるかもしれないという。
「巨人の出方が気になります。和田毅も今季で2年契約が切れます。復活しつつありますが、来季34歳となる年齢面を考えると、オリオールズ残留の可能性は低く、他球団も興味を示さないでしょう」(現地特派員)
巨人は内海、杉内の両左腕が年齢的衰えを隠せず、左投手の補強は急務となった。和田が日本帰還を選択するのなら、過去の実績に相応しいステージを確約してくれるのは巨人である。しかし、左の先発投手を欲しているのは巨人だけではなく、和田が日本帰還を選択肢に入れたとなれば、全球団が動くのは必至だ。
「今季はクローザーの西村が不振で、リリーフ投手の補強も検討しなければなりません。阪神を揺さぶる意味も兼ね、藤川に接触する可能性もゼロではない」(前出プロ野球解説者)
日本人メジャーリーガーの帰還に備える場合、年俸面だけではなく、住環境などの付帯条件も大きなカギとなる。
「阪神以外で中島に興味を示しているのは、楽天、DeNA、巨人、ヤクルトなど。マネー合戦になる可能性の高いのでヤクルトと古巣の西武は積極的には動かないでしょう」(球界関係者)
阪神は西岡、福留との交渉にも成功しており、万全を期して臨むだろうが、中島と同じ遊撃のポジションには鳥谷敬がおり、二塁にも西岡、上本が控えている。三塁にも今成、新井貴がいるため、戦力がダブつく感は否めない。中島獲得には反対意見も出そうだが、契約切れを迎える日本人メジャーリーガーとの交渉では、阪神が他球団を大きく引き離しているようだ。