2年目の新米検事・竹村凜々子の奮闘を描いた本作。正義感にあふれ、周囲を巻き込んで事件の真相を捜査する凜々子を吉高由里子が演じる。作中で取り扱われる事件などが「現在の世情を表している」と話題になっている。
第9話は「痴漢」がテーマだった。竹村が担当した電車内の女子高生への痴漢事件で真犯人の存在が発覚し、かつて凛々子が起訴した犯人が冤罪だったことが判明する。しかし不自然な点も多く、凜々子らは事件を再調査した。すると、冤罪だと思われていた男性が同じ電車内で、別の女子高生に痴漢していたことが判明。再び犯人を逮捕するべく奮闘するというストーリーが展開された。
視聴者からは、「今回の『正義のセ』は痴漢のクソさをちゃんと描いてくれててよかった」「神回だった!いろいろ泣けた」と絶賛する声が集まっていた。一方、「痴漢する人って何でするのかな?もっとちゃんと取り締まってほしい」「冤罪じゃなくてよかったけど、実際冤罪だったら恐怖だよね…」と不安を口にする視聴者もいた。
実際、女性を対象にしたアンケートで、「巻き込まれるのではないか」と不安に思う犯罪の種類を聞いたところ、「痴漢」を挙げた人が45.0%もいた。「被害を受けた経験」があるか問われると、23.5%が痴漢の被害に遭った経験があると回答した(セコム調べ、2017年)。痴漢の被害は、5人に1人以上が経験しているのだ。
警視庁が開示したデータによると、2015年までの3年間で検挙した痴漢行為の約82%が列車内や駅構内で発生したもの。その中でも、「さわり・撫(な)で」の被害が約86%と大半を占めている。
近年は痴漢冤罪被害も相次いでいる。一部の保険会社は弁護士費用付きの「痴漢冤罪保険」を販売しているが、同保険の存在を知っている男性のうち、46.1%が「入会を検討したい」と答えているという(マクロミル調べ、2017年)。
さらに、導入へ検討が進んでいる「男性専用車両」について男性の約65%が「絶対に導入すべきだ/導入した方が良い」と答えているのに対し、女性はそれを上回る約74%が「絶対に導入すべきだ/導入した方が良い」と答えた(同上)。女性は男性以上に、男性専用車両導入へ前向きなのだ。
痴漢被害をなくすために、男性と女性で車両を完全に分ける日はそう遠くない未来に来るのかもしれない。