おれも昨年6月に出所して以来、いろいろな人に助けてもらいながら、少しずつではあるが仕事を再開させてもらっている。今のところ「お笑い」としての田代まさしを期待されている仕事がほとんどなので、たとえばライブ出演なら、せっかく見に来てくれたお客さんたちに楽しんでもらいたいと思い、自虐的なネタも織り交ぜたギャグなどを飛ばしたりして、笑ってもらうために必死になってやっているつもりだ。
ただ、そういう姿が見る人によっては「田代は何も反省していないじゃないか」ということになってしまうらしい。だけど「反省しています、すいませんでした」と謝ってるだけのライブなんて誰も見たくないんじゃないだろうか。そういった意味で、反省している姿を見せながら「お笑い」として活動していく難しさというのは日々感じているところだ。
その点、音楽には“いい音楽”さえ作ればみんなを納得させられる不思議な魔力があると思う。たとえば槇原敬之さんなんかは、おれと同じような事件を起こして一時はCDの回収騒ぎにまでなっていたが、その後の作品でちゃんとみんなから認められて復帰している。小室さんも8月にglobeとしての復帰ライブを計画しているらしいけど、そこでぜひとも素晴らしい音楽を聞かせて世間を納得させて欲しいものだ。
そしておれ自身もまた、今までいろいろな活動をしてきたけど、根っこの部分には常にラッツ&スターとしての自分がある。だから、いつになるか分からないけど、もしもおれがラッツ&スターの一員として再びステージに立つことができたとしたら、その時がおれの本当の意味での復帰と言えるんじゃないかな。
そんな日が訪れるのを、ぜひ応援して待っていて欲しい。