期待された開業からなかなか思うような成績を挙げられなかった松永幹厩舎だが、今春はレッドディザイアが桜花賞・オークスで2着と大活躍。松永幹調教師の騎手時代同様、牝馬のミキオの面目を立てた。
そして今年の2歳も粒ぞろい。なかでも、今週、デビュー予定の当馬は来春の牝馬クラシックを狙える逸材だ。
「短距離向きのフットワークで早い時期からの活躍が期待できる」と師は上々の見立て。実際、6月24日には栗東坂路で800メートル55秒7をマークするなど、動きの良さも目立っている。
母のシンコウノビーは1997年ファンタジーS2着、98年のフラワーCで3着と活躍。阪神3歳牝馬Sでは1番人気に支持されたほどで、実績以上に素質を感じさせる馬だった。血統背景も力強く、新馬勝ちの期待が膨らむ。
ウイントランザム(牡、栗東・山内厩舎、父ゼンノロブロイ、母クイックラン、日曜4R芝1200メートル出走予定)
毎年、早い時期から2歳馬が大活躍する山内厩舎。現3歳世代はいまひとつパンチ不足だったが、当然、今年は巻き返しに力が入っている。
当馬は、父が今年から種牡馬デビューとなるゼンノロブロイ。2004年秋に、天皇賞、ジャパンC、有馬記念を3連勝したことは記憶に新しい。470キロ台の馬体は、まだ父ほど大きくないものの、ゆったりしたつくりはアカ抜けている。「気性が素直で乗りやすい。スピードも十分」と上籠助手も高く評価しており、短距離戦にも対応できそうだ。