後藤騎手は1992年にデビューし、これまでJRAで1447勝、重賞53勝(うちGI 15勝)を挙げているトップジョッキー。『ジャンクSPORTS』(フジテレビ)などのテレビ出演やプロ野球の始球式に馬に乗って登場、本やCDを出すなど多方面で活躍。弊社の川口オートレースでのイベント『週刊実話杯』でも2度、トークショーのゲストとして登場し、ステージを大いに盛り上げてくれた。
'13年の秋、騎手生命を脅かすほどの大ケガを負った落馬事故からおよそ1年で復帰し、いきなり地方競馬のGIを2勝(マイルチャンピオンシップ南部杯、JBCスプリント)。
このタイミングで、本誌は後藤騎手にインタビューを行った際、「競馬の神様のおかげ」「基本的に僕は競馬が好き。その場・その瞬間を楽しみたい」「娘が理解できるようになるまでは続けたい」と熱く語っていた。
その後、'14年4月に再び大きな落馬事故で重傷を負いながらも、懸命なリハビリで不死鳥のように甦り、昨年11月に再復帰。これからまた活躍してくれるものと、ファンの誰しもが期待していただろう。
そんな後藤騎手の突然の死を悲しむ多くのファンが、JRAの各競馬場に設置された献花台、記帳台に訪れている。また、フェイスブック上にはファンの悲痛なコメントが多数寄せられた。
これほどまでにたくさんのファンに愛されていた後藤騎手。なぜ自ら死を選んでしまったのか? 関係者によれば、自殺するような兆候は見られなかったという。何度も大きな落馬事故で心が折れてしまったのだろうか…。
真相はいずれ明らかになるかもしれないが、今はただ、やすらかに眠ってほしい。後藤騎手に合掌。
(本誌記者・中野孝信)