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もしかしたらパーキンソン病? 思い当たる原因のない「震え」は要注意!(2)

 では、震えが命にかかわるという事例があるのだろうか。
 ここにAさんの例がある。ある日、Aさんが字を書こうとすると、なぜか腕に震えが起こった。わずか10秒程度でおさまったため、その時は気にもとめなかった。しかし、その後、仕事中に強いめまいと吐き気を感じて倒れ、救急車で病院に運ばれる。病名は脳梗塞だった。
 最初の震えは、脳に血液を送る首の動脈硬化が進み、血栓のかたまりができたのが原因。その血栓の一部がはがれて、脳の細い血管を塞いだために手の筋肉が動かなくなって震えが起きた。
 それでも血管が詰まった後にすぐ血栓が小さくなり、短時間で震えが治まったと思われる。
 このように、思い当たる原因がない震えが起きたときや、力が抜けたような感じになったときには、早く医者に行くことをお勧めしたい。また、患者の60〜70%の人に、手足の震えが起きるのがパーキンソン病で、患者は今や1000人に1人の割合という。

 震えの特徴としては、仰向けになっているときや、座って手をひざの上に置いているときに震えが起こること。歩いているときに手が震えたり、あごが震えたりすることもある。
 パーキンソン病の震えは規則的で、1秒間に4回から6回くらいの頻度でみられる。この点は、食事をするときや字を書くときに小刻みに震えるのと違ってあまり動作に影響をおよぼさない。
 だが、症状が上肢から始まった場合は手を動かすのがぎこちなくなり、リズミカルな動作が苦手になる。下肢では歩幅が狭く、前屈みで小刻み歩行になるのが特徴だ。
 パーキンソン病は若くても発症することがあり、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主演男優マイケル・j・フォックスは30歳で「若年性パーキンソン病」と診断された。
 薬を飲みながら俳優活動を続けていたが、その後公表し、手術をして左半身の震えは回復した。ところが数年後、今度は右半身にも震えが出るようになり、現在もその症状が続いている。それでも彼は闘い続ける。パーキンソン病の研究のための基金を設立し、積極的な活動を行っている。

 最後に、震えはあるが、病院に行くべきかどうかを自己診断してみよう。
(1)字を書くときに手が震える
(2)食事をするとき、箸や茶碗を持つ手が震える
(3)着替えるときにボタンにかけた手が震える
(4)人前で話すときに声が震える
(5)首が震えているといわれたことがある
(6)じっとしているときに手が震える
(7)歩くときに足が震えてすくむ
 この結果、(1)から(5)に該当する人は「本態性振戦」といえる。震え以外の症状がなければ、生命にかかわらないと考えてもいいだろう。
 もし、気になるようなら、神経内科で相談をしてみよう。ベーター遮断薬という、自律神経が筋肉を活発にするために出す物質をブロックし、震えを抑える薬を処方してくれるはずだ。
 次に(6)と(7)の人は、パーキンソン病の可能性があるので、神経内科で医師の診断を受けることをお勧めする。

 最近の医療は、病気を治すというだけでなく、快適な生活を過ごせるように幅を広げている。毎日を爽快に過ごすためにも、医療機関を身近なものとしてとらえる必要がある。

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