「森クンの進路だよ。彼は夏の甲子園後の海外遠征・高校日本代表メンバーに選ばれるはず。本心を探るため、帯同しなければならないね」(某球団スカウト)
今秋のドラフト会議、高卒の目玉は大阪桐蔭・森友哉捕手と桐光学園・松井裕樹投手なのは間違いない。しかし本誌は、その投打のナンバー1が揃って“プロ入り拒否”を表明するとの情報をキャッチした。
「森は今年の1月ごろから、『社会人野球に興味がある』と口に出すようになりました」(学校関係者)
ドラフトでは、昨年に高校生捕手を指名しなかった球団全てが、森を1位候補リストに入れている。
「巨人は阿部の後継者として、阪神は大阪桐蔭卒・藤浪の恋女房である彼を指名し、将来のスターに育てたいそうです」(担当記者)
どの球団も森を“将来の正捕手候補”として見ているのだが、それが森の野球人生にそぐわないらしい。
「森はプロ志望が強い。しかし、試合に出たい思いが強く、二軍で練習させられるのなら社会人に進んで試合に出た方がいいと思っている。トーナメント大会の緊張感を味わいたいとも」(前出・関係者)
一方、松井もスカウト陣を悩ませている。実は、5月GW明けに校内の三者面談が行われたのだが、松井だけは“白紙”だった。夏の甲子園大会に集中させるための措置と思われたが、実際は違う。
「早稲田大の東條航主将は桐光のOBで、信頼を寄せる先輩の1人です。松井が尊敬する桐光の野呂雅之監督も早稲田出身。この既定路線をカムフラージュするための“白紙”とみられます」(大学関係者)
「試合に出たい」思いは松井も強いようで、それぞれ社会人、大学でスキルアップを自ら図るという姿勢が共通する。スター候補のプロ入り拒否は衝撃的だが、言い換えれば、それは「今のプロ野球界に魅力がない」ということだ。