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グアムが消える! 核発射の脅しも“世界の無反応”にイラだつ金正恩

 9月26日、ポーランドからモンゴルといった冷戦時代の友好国が、北朝鮮の労働者追放やビザなし渡航の廃止、さらには船舶の登録取り消しに至るまで、孤立する同国政府に対して圧力を強める措置をとった。
 そうした中、北朝鮮軍の総参謀部スポークスマンは9月22日、米軍が前日にグアムのアンダーセン空軍基地からB1戦略爆撃機2機を韓国に再派遣したことについて「今後もB1を出動させるなら地球上からグアム島を消し去る」と核攻撃も辞さないことをにおわせた。

 実は同機はロシアとの核軍縮条約の取り決めで核兵器運用能力を外しており、核抑止力は発揮できない。北朝鮮も当然この事実を把握しているはずだが、いつもの被害者ヅラにはあきれるばかりだ。
 「北がミサイル、核開発、その運搬手段の3点セットを進めるのは、核保有国の認知を得て、米国に体制存続の確約を得るのが目的です。ところが、米国は一向に振り向いてくれない。インドやパキスタンは世界の『核クラブ』の仲間入りを果たしたのに何で? という心境でしょうね」(軍事ジャーナリスト)

 北朝鮮は2003年1月にNPT(核拡散防止条約)から脱退している。ところが、インド、パキスタン、そして事実上の核保有国イスラエルの3カ国は、NPTに加盟していないのに核保有国と見なされている。
 北朝鮮との違いは何か。
 「3カ国はIAEA(国際原子力機関)の核関連施設へのアクセスを認めていますが、北は国際機関の監視外にある。決定的なのは、北は民主的に選出された中立機関が存在しない独裁国家であることです。しかも、北を“核保有国”として認知すれば、日韓台の核武装化が浮上するという国際政治に関わる重要事案が浮上してくる。金正恩委員長は自国が世界サイクルから外れていることを全く分かっていないのです」(同)

 東京証券取引所にあるスクリーン上に弾道弾発射のニュース速報が流れた8月24日早朝も、9月9日の5回目の核実験情報が東京市場などに伝わったときも、マーケットは材料とせず、世界中が無反応だった。
 「9月23日の国連総会の基調演説で、北朝鮮の李容浩(イ・ヨンホ)外相は『われわれより先に核武装を始めた他の国が安保理で問題になったことは一度もなかった。なぜわれわれだけが非難されなければならないのか』と訴えましたが、答えは簡単。人権無視のまるで中世の独裁国家だからです」(同)

 米国による体制保証を得るという北の野望は、金正恩委員長がこの世に存在する限り“見果てぬ夢”に終わる運命にある。
 狭まる北朝鮮包囲網! 金正恩は全世界を敵に回した。

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