来年3月に高校を卒業する若者たちの採用内定が、先頃スタート。選考する側の中で「年々バスガイド希望者が減ってきたが、今年は一層ひどい」と観光バス運行会社役員が嘆いている。
日本バス協会によると、2014年7月末時点でのバスガイド数は、268社で3802人。5年前の'09年7月末時点では4901人(272社)だったことから、わずか5年で1000人以上の減少だ。背景には、'00年に実施されたバス事業の規制緩和がある。
それまでは大型観光バスのワンマン運行が許可されておらず、車掌の同乗が義務付けられていた。その車掌の役割をバスガイドが果たしていたわけだが、規制緩和によって運転手のワンマン運行が認められるようになった。バスガイドはオプション扱いになり、リーマンショック以降、利用者側も経費削減の観点からオプションを注文しなくなったのである。
オプションの注文が入らなくなったので、今の10代はバスガイドの姿を見ないで育ってしまった。その結果、バスガイドに“憧れる”希望者が激減しているというわけだ。某有名バス会社では、現在採用活動中の'17年4月入社希望者がわずか数人。「10年ほど前と比べると20分の1程度になってしまった。容姿で選ぶなんて夢のような話です…」と同社の採用責任者は言う。
容姿で採用可否を決めるのは当然問題があるが、そんな余裕もないのが現況のようだ。
「大手人材広告企業のデータによると、あの『はとバス』ですら、'15年実績でたった6人。結果として、バスガイドの高齢化が著しい。さらに、美人ガイドは結婚退職してしまいますから…」(全国紙経済部記者)
まさに美人バスガイドの絶滅危機だが、これをチャンスと捉え、その在籍をウリにしている商魂たくましいバス会社もある。つまり、バスガイドのコンパニオン化というわけだ。
『なんたって18歳!』の岡崎友紀に恋をしたオジさんたちにとっては、何だか切ない話である。「美バス」なる観光バスのバスガイド紹介サービスの会社もある。元モデル・元CAがバスガイドとしてデビューするというのだ。それはそれで鼻の下が伸びるが…。嗚呼、また一つ昭和が消えていく…。