その一方で、10日からは東京地裁立川支部で実行犯である渡辺豊被告(42)の裁判員裁判が行われていた。
「法廷に現れた渡辺被告は終始猫背でうつ向いており、共犯らが証人出廷しても顔を向けることもなく、意識して目を合わせないようにしているようでした。メガネに白いシャツ、ジーンズと、格好も小綺麗。報じられていたコワモテの風貌とはほど遠い“草食系男子”に見えました」(司法記者)
渡辺被告は、事件当日に勤務していた警備員に大けがを負わせたことについて「もみ合いの中で刺さってしまった」と主張。また、調書でも「警備員は抵抗しないように教育されていると聞いていたが、気付かれると大声で叫び出し、飛びかかってきて両腕で体をつかんできた。話が全然違う」と、気が動転した上での犯行だったとしている。
さらに、加担したいきさつについても「軽い気持ちで『やりますよ』と言ったので断れなかった」と、乗り気でなかったかのように話す渡辺被告。しかし、証人出廷した共犯者は、事件後の渡辺被告の様子についてこう語ったのだ。
「犯行後に渡辺に会ったとき、国内犯罪史上最高といわれる被害額について『もし抜かれたらまたやりますよ』って言ってました。そんな話しないほうがいいよ、と言うと、渡辺は私に『ビビってるんですか? 人を刺す感触は忘れられないです。クセになりますよ』と」
そんな“ノリノリ発言”を暴露された渡辺被告は、うなだれるばかりだったという。
「3000万円程度の分け前のうち、デリヘル利用14回、計66万円を使っていることも明かされましたしね。他にも“強盗のカネ”だからと、約700万円は重りをつけて海に沈めた、と語っていましたが、残りのカネの使い道はわからないままです」(前出・司法記者)
渡辺被告には懲役20年が求刑されている。強奪金のうち約3億6000万円の行方については完全に不明。西沢容疑者によって明らかになるか。