中国・湖北(こほく)省に住む32歳の女性が、目のかゆみを訴え病院に行ったところ、まつ毛に多数のダニがすみ着いていることが分かったと海外ニュースサイト『AsiaOne』が9月6日に報じた。同記事によると、女性は仕事が忙しく、家に帰っても休息できる時間が限られていたため、メイクを完全に落とさず寝ることが多かったそうだ。
女性はメイクを完全に落とさない生活を続けてしまい、6カ月にわたり目が乾燥し、かゆみを感じ続けたという。まつ毛も頻繁に抜けることに気付き、かゆみにも耐えられなくなったため、女性は病院に向かった。
医師は女性に「目のかゆみやまつ毛が抜けるのは、まつ毛にダニがすみ着いているから」だと告げたそうだ。医師が顕微鏡で女性のまつ毛を見た時、まつ毛周辺でダニが動き回っていたという。医師は、メイクを完全に落とさなかったことで皮脂の汚れが蓄積し、ダニがまつ毛に繁殖して目にダメージを負わせたと説明した。
同記事によると、ダニは特に暑い時期に急速に繁殖し、1本のまつ毛に最大で36匹のダニが繁殖する可能性があるという。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「私もよくメイクを落とさず寝る。気をつけなきゃ」「まつ毛にダニが住んでいるなんて気持ち悪い」「私も時々目元がかゆくなる。メイクが落としきれていないのかも」などの声が挙がっていた。
『NIKKEI STYLE』(日本経済新聞社)が2016年6月に報じた内容によると、人間の顔には0.2〜0.3ミリほどの大きさのダニが約200万匹生息していて、一つの毛穴には5〜6匹のダニがすみ着いているそうだ。
顔の中でも特に目元にはダニが集まりやすい。医療情報を提供している米サイト『Healthline』によると、ダニはまつ毛の周りの死んだ皮膚細胞やまつ毛を食べるため、自然とまつ毛周辺に集まり、長く生息するという。また、マスカラやアイシャドーなど、目の周辺には他人と共有しがちな化粧品が多く、ダニが化粧品を通じて感染する可能性も高い。まつ毛に多くのダニが長くすみ着くと、目のかゆみや炎症、まつ毛が抜けるなどの症状が現れる。
また、慢性の顔面皮膚疾患に苦しむ患者を支援している米団体が運営するサイト『National Rosacea Society』によると、まつ毛周辺を含め、顔にすみ着くダニは、アルコールをよく飲む人の顔に繁殖しやすい。アルコールをよく飲む人は、飲まない人に比べ15〜18倍のダニが顔にいるという。
メイクを毎日せざるを得ない人は多いだろう。しかし疲れていても、帰ったらすぐにメイクを落として顔を清潔に保ったほうがよさそうだ。
記事内の引用について
Chinese woman finds mites living in eyelashes due to poor makeup removal habits(AsiaOne)より
https://www.asiaone.com/china/chinese-woman-finds-mites-living-eyelashes-due-poor-makeup-removal-habits
「顔ダニ」って知ってる? 毛穴ひとつに5〜6匹(NIKKEI STYLE)より
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO03003930R30C16A5000000/
Eyelash Mites: What to Know(Healthline)より
https://www.healthline.com/health/eyelash-mites
The Ecology Of Your Face: Demodex, Rosacea And You(National Rosacea Society)より
https://www.rosacea.org/patients/the-ecology-of-your-face-demodex-rosacea-and-you