CLOSE
トップ > 社会 > スクープ告発 第1弾 忘年会・新年会に横行する食材使い回し あなたもきっと口にしている!〜ジャーナリスト・吾妻博勝〜(2)

スクープ告発 第1弾 忘年会・新年会に横行する食材使い回し あなたもきっと口にしている!〜ジャーナリスト・吾妻博勝〜(2)

 トンカツ店チェーン『和幸商事』経営の『恵亭松屋銀座店』(東京・中央区)など4店で、キャベツやお新香の使い回しが発覚したのは、それから1カ月後の11月下旬。
 銀座で名の知られた専門店でもこの体たらくだから、同じ銀座の居酒屋チェーンの店長が言う「使い回しはヘッチャラ」はウソではないのだ。

 店長が話す。
 「ここから近い国内最高級の帝国ホテル、三越伊勢丹、それに高島屋、小田急百貨店のレストランなど、あっちでもこっちでも食材偽装がバレたけど、他はダンマリを決め込んでいるだけ。よくぞ今までバレなかったなと感心しきりですよ。偽装やってない店なんて、あるわけがない。偽装やるかどうかは店構え、格、客層に関係ない。一流人相手の帝国ホテルでもやっていたんだから」

 原価圧縮が最優先され、「客がナメられているから」だという。
 「だから“偽装はあって当然、ないのが不思議”というわけさ。使い回しだって同じ。それがなかったら、かえって不自然だ」

 外食産業の一部では、使い回しを手前勝手に「資源活用」と拡大解釈、そして“シカツ”(資活)と呼んでいる。そのシカツが、あの店でも、この店でもこっそり行われているわけだが、それが最もエスカレートするのが忘年会、新年会の年末年始シーズン。
 「この時期になると、特に刺身類はシカツが原則」
 と話すのは、JR上野駅近くに古くからある大型居酒屋の副店長格。
 「上からの厳命で従業員は増やせない。人件費の問題があるから。それなのに、予約がいっぱい入っている。そこにフリーの酔っぱらいも入って来る。刺身を切る時間がもったいないから、すぐそこのアメ横で切ったのを仕入れている」

 それを小分けして皿に盛るだけだが、
 「どのグループもかならず最低10〜20切れは残していく。丸ごと1皿残す場合もある。それを別の盛り合わせ皿にもぐり込ませて、次のグループにシカツするんです。忘年会、新年会の時期は刺身だけでなく、どれもこれも普段より安いものを使うことになっている。これも上からの指示。でも値段は同じ。安物で原価を落とせば当然収益が上がる。そこが狙い目です」

 刺身に使う冷凍マグロは、夕方のバッタ売りでも売れなかった残り物だから、タダみたいなもの。
 「客が食べ残した刺身が、シカツでも使い切れないほど量があるときは、日本酒をたっぷり使って醤油漬けにする。日本酒も客の飲み残しで、オチョコにあったものでも使う。醤油漬けは、マグロのヅケ丼に使うが、これは人気抜群です。ほとんど原価ゼロだけど、収益アップの優等生だね」

 副店長格が言う“シカツ”は、廃棄すべき残飯の見事なまでのリサイクルだ。

社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ