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自民党総裁選圧勝

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提供:週刊実話

 夏休みに入った安倍総理は、8月16日、麻生太郎、森喜朗、小泉純一郎という3人の首相経験者とゴルフを楽しんだ。9月25日に行われる自民党総裁選での圧勝が見えてきて、ゴルフも好調だったようだ。

 安倍総理のご機嫌には根拠がある。7月24日に岸田文雄政調会長が総裁選の立候補断念を発表して以降、雪崩を打つように、他派閥も安倍支持で固まったからだ。立候補を表明している石破茂元防衛大臣を支持するのは、竹下派の、それも参議院議員だけだ。彼らは、なぜ勝ち目のない石破支持に動いたのか。私は、保守本流としての意地があったのだと思う。

 結党以来、自民党内の一番大きな政策対立は保守本流と保守傍流の戦いだった。保守本流は、党内左派だ。田中角栄、小渕恵三といった政治家に代表される保守本流は、基本的に平等主義かつ平和主義だ。一方、小泉純一郎、安倍晋三といった政治家に代表される保守傍流は、党内右派で、市場原理主義であり、主戦論だ。

 そして、もっと大胆に要約すると、保守本流は対米対等を目指し、保守傍流は対米全面服従だ。

 保守本流の原点である吉田茂は、朝鮮戦争の際、米国から再軍備を要請されたのを断固として拒否した。田中角栄は、米国の許可をとらずに、独自判断で日中国交正常化を実現した。

 一方、保守傍流の小泉純一郎元総理は、いまから思えば根拠のない戦争だった米国のイラク戦争を、日本として支持すると発言し、いまだに訂正していない。

 安倍総理は、集団的自衛権の行使を可能にし、秋の臨時国会には、憲法改正案まで提出しようとしている。保守傍流の原点は、安倍総理の母方の祖父、岸信介元総理だが、岸信介氏は、東条内閣で商工大臣という重要閣僚だったため、戦後、A級戦犯の容疑で3年半拘束された。ただ、結局、不起訴で無罪放免となった。米国の配慮だったとも言われ、これが対米服従の原点になっているのだ。

 自民党内では、保守本流がずっと主役だったのだが、2001年の小泉純一郎政権以降、ずっと保守傍流が支配をしている。傍流が主流になってしまったのだ。このまま行けば、格差がさらに拡大するだけでなく、アメリカの戦争に日本が巻き込まれてしまうだろう。

 ただ、今回の総裁選で、私が、どうしても石破氏を応援する気になれないのが、経済政策。石破氏は、2018年4月の講演で、金融・財政政策をいきなり激変させることはないと断言したが、同時に、「大胆な金融緩和も機動的な財政出動も、いつまでも続けられるはずがない」と将来の引き締めに含みを残している。また、岸田文雄氏が、岸田派の政策骨子で「持続可能な財政」を打ち出して消費税の確実な引き上げ方針を示したときも、理念が近いとコメントしている。

 石破氏は、経済が得意でないか、財務省にすっかり騙されてしまっているのだと思う。ただ、安倍政権が発足して以降、実質賃金が4%以上下落している今、もし消費税増税や金融引き締めなどしたら、国民生活が破壊され、経済が失速してしまう。保守本流の基本理念を持ちながら、景気拡大のためのマクロ経済政策を理解する政治家が出てこないと、日本はよくならないだろう。

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