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賢い自動車の買い方

 近年、不況のあおりで新車が売れない時代だと言われている。都会のように交通の便の良い地域とは異なって、地方で交通の便の悪い場所に住んでいる人間にとって、自家用車はなくてはならない存在である。

 新聞の折込チラシにはよく中古車のチラシが入っているが、正直高年式の自動車は、新車とさほど変わらない価格で売られている。中古車を買うのは博打と同じだと知人が言っていたが、外見は綺麗な自動車でも、内部はボロボロの場合が多い。

 知人のKは金銭的に新車を買う余裕がなくてずっと中古車だけを乗り継いでいるが、中古車の場合は製造後10年を過ぎると信じられない場所が壊れると言う。彼の自動車は製造後12年の中古車で、昨年9万キロを走っていると言うので、タイミングベルトを交換したばかりだ。先日、いきなりKの乗っている自動車のエンジンのキーが抜けなくなったという。Kは力まかせで抜いたが、今度はエンジンを始動させるためにスターターにキーを差し込んでもキーが回転できない。最後には修理に来てもらって見てもらったが、完全にスターター部分が壊れており、修理には4万かかると言われたが、仕方がなくそれを修理したと言う。昨年から今年に掛けて10万円の修理費は、経済的に余裕のないKには痛かった。今度はどこが壊れるか分からない恐怖心から、結局Kは新たに自動車を購入するために動き出した。

 Kは、中古車はどこか壊れるか見当もできないので避けたく、かと言って新車を買う経済力もない。結局Kは新古車を買うことにしたと言う。新古車とはその名称の通り、新車ではないが中古車でもない。その多くはメーカーの試乗車として飾られており、走行距離も僅か数キロの自動車もある。

 Kの購入した新古車は23年製造の、走行距離は僅か5キロだった。外見は新車と同じで、内装もシートにはまだビニールが掛けられていた。驚くのはその価格である。新車だと車両価格が950,000円の物が、店頭販売で895,000円で、更に決算セールで僅か695,000円で購入できたという。しかも、新車と同じ5年のメーカー保障がついて、5年以内のメンテナンスも無料だと言う。当然、新車と同じく車検も3年付く。

 現在、Kは自動車の納入を待っている状態だと言う。新古車という、新車でなくて中古車でもない自動車。場合によってはかなりお買い得だ。
(藤原真)

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