警察によると、父親は6日午前3時5分頃、自宅リビングで生後1か月の長男を床に叩きつけ、頭蓋骨骨折と急性硬膜下血腫の重傷を負わせた。様子がおかしいことから同容疑者と妻が病院を訪れ受診。その結果、生命の危険があることが判明し、現在集中治療室に入っている状況だ。
病院は被害を受けた子供が虐待を受けている可能性が高いとして、児童相談所に連絡。相談所が警察に通報し、事情を聞き傷害の疑いで逮捕された。
我が子を床に叩きつけるという信じられない行動をした28歳の父親は容疑を認めており、「私がしたことに間違いありません」と話しているという。警察は父親と20代の妻について、日常的な虐待の有無などを調べていく方針だ。
この常軌を逸した犯罪に、「無抵抗の子供を叩きつけるなんて人間として最低の行為。それなら子供を作るな」「虐待事件が多すぎる。厳罰化するべきだ」「かわいそうな子供が多すぎて胸が締め付けられる」「実の父親がこんなことをするなんて信じられない」と怒りの声が上がる。
一方で、行為は許せないとしながらも、「育児しにくい世の中。金銭的にも肉体的にも追い詰められていたのでは」「核家族化で相談できる人がいない。子供を育てることに不安を感じていたのでは」「国がもっと親を金銭的にも精神的にもサポートするべきだ」という声が上がった。
同情的な声もあるが、父親が子供を叩きつけることは異常と言わざるを得ず、相応の罪を償うべきだろう。しかし、現行法が相応になっているかというと、そうではないと言わざるを得ない。
愛知県豊田市でも、育児に疲れたと見られる母親が泣き止まない子供に腹を立て床に叩きつけて殺すという事件が発生したが、逮捕容疑は傷害致死罪で判決は懲役3年6か月と、人を殺めた犯罪者としては軽いと言わざるを得ない刑期となっている。
減ることがなく、しかも家庭の問題である上、子供だけに訴える手段を知らず我慢してしまうことが多いため、表に出にくい親による子供への虐待。学校や児童相談所に速やかに相談できるような意識を、子供に周知徹底させていく必要がある。そして、速やかに子供への虐待の重罪化を検討してもらいたい。
文 櫻井哲夫