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2・4後楽園で引退する“平成の借金王”安田忠夫が元横綱・曙を格下扱いするワケ

 2月4日、東京・後楽園ホールでの引退興行で、元横綱・曙との元力士対決が決定した安田忠夫。

 当日は曙戦を含め、複数試合を行なうことが決まっているが、曙戦は第1試合に組まれた。安田は「ボクにとって、横綱は千代の富士(現・九重親方)、北勝海(現・八角親方)であって、曙は曙でしかない。ただのでくのぼう。そんなヤツに負ける気もない」と、元横綱を格下扱いにした。

 安田の大相撲時代の最高位は小結(しこ名は孝乃富士)。相撲界では番付が1枚でも違えば、扱いが変わる厳しい縦社会。横綱と小結では天と地ほどの差があるが、安田にとって、曙を格上と認められないワケとは…。

 安田は79年3月に初土俵を踏んでいる。入門したのは当時、隆盛を誇った九重部屋で、師匠は元横綱・北の富士。部屋の大先輩には後に横綱に昇進し、“昭和の大横綱”の名をほしいままにした千代の富士がいた。同門同期には元横綱の北勝海もいた。安田はそんな環境でけい古に励んだのだから、千代の富士や北勝海に対する尊敬心は人一倍強いはず。

 一方、曙は88年3月に初土俵を踏んだ、9年も後輩の力士。相撲界ではたとえ1日でも入門が早ければ、兄弟子扱いしなければならない暗黙のルールがある。安田にとって、9年も後輩の曙が小僧にしか見えないのは当然。安田が最高位の小結に昇進した90年7月場所時点で、曙はまだ十両力士。当時の安田には、曙など眼中になかったはず。

 安田が最後に番付に載った92年5月場所で、曙は関脇。曙は翌7月場所で大関に昇進しているが、安田はすでに廃業しており、曙の全盛期の強さを体感していない。

 最終的に両者の大相撲での地位は、大きく差ができたが、安田にとっては現役力士時代のイメージしか残っていない。そんなわけで、曙は格下にしか思えないのだろう。

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