報道によると女は娘と2人暮らしで、生活保護を受けていた。公判では「外食や娘の洋服代で出費がかさみ、生活が苦しかった」と動機を述べた。最初は娘が着られなくなった服をインターネットオークションに出品していたところ、購入者の男から体操服や下着、水着を求められて販売するようになったという。「娘のわいせつな写真を付けてくれれば高く買う」と持ちかけられ、「やってはいけないとちゅうちょしたが、切羽詰まって娘に頼み、撮影してしまった」と語った。写真などは複数回、郵送やLINEで送信する形で売却。娘とのデートを持ちかけるメッセージも送っていたという。
ネットユーザーからは「背景に母子家庭の貧困問題があるのでは」と想像する声もあったが、「実刑にすべきではなかっただろうか」「この親子の今後が心配」と判決に疑問を呈し、子どもの行く末を案じる声が最も多かった。執行猶予ということで、親子がまた一緒に暮らす可能性もある。その場合、今後親子の生活がどうなっていくのか考えると、確かに不安でしかない。
7月25日には新潟で、18歳未満であることを知りながら、当時17歳の女子高校生と淫らな行為をしたとして、48歳の男が児童福祉法違反の疑いで逮捕された事件があった。これがただの児童福祉法違反だけで終わらないのは、男が淫らな行為をするおそれがあることを知りながら、娘を男に引き渡したとして、同市に住む生徒の45歳の母親も同法違反の容疑で逮捕されたという点である。男と生徒の母親は、知人同士だったのだ。
親が子どもを食い物にする事件の背景に、貧困があるのは事実かもしれない。しかし、貧困を大義名分に、子どもを利用して真っ当でない方法で金を稼ぐ行為はまさに鬼畜の所業である。
文/大久保 舞