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ネットクレームに振り回される外食産業

 4月上旬、丸亀製麺のフェイスブックページに客からとある報告が寄せられた。
 《この竹すだれカビだらけでした。たまたま、裏返したので気付きました》
 店でざるうどんを食べた後、うどんの下に敷かれていた竹すだれをひっくり返したらカビが生えていたというのである。

 運営元のトリドールはフェイスブック上ですぐに謝罪し、全店に、すだれを乾燥させて使用前に確認を徹底するよう通達。さらに翌月の5月に公式ホームページ上にもこの件を報告したが、それが広く各紙で報じられる騒ぎとなった。
 さらに丸亀製麺だけではなく、大手牛丼チェーンでも“テイクアウトした牛丼の底から布巾が出てきた”とのクレームがツイッター上を駆け巡り大騒ぎ。
 「『丸亀製麺』のカビ事件は、会社が謝罪していることなどから事実と思われますが、布巾混入事件は、実際に入っていれば店員も気付きそうなもの。時折、故意に虫を混入させるなどの悪質なクレーマーもいますから、にわかには信じられません」(ITジャーナリスト)

 イメージダウンに繋がるネット上のクレームを巡っては、5月8日、札幌市の飲食店経営の男性が、ついに訴訟を起こしている。
 飲食店口コミサイト『食べログ』上で「料理が出て来るのが遅い」「おいしくない」などの口コミが書かれたことを巡り、運営するカカクコムを相手取り、これを削除することと損害賠償を求めたのである。
 「ネットの書き込みは真実かどうかの見極めが難しいにもかかわらず、あっという間に拡散し、影響を及ぼします。また企業側もガイドラインを設けていないので、対応も後手後手になってしまう。丸亀製麺の事例のように善意での報告ではなく、悪意を持った“嘘のクレーム”が投稿されることも今後、十分あり得るのです」(同)

 玉石混淆のネット情報。これを見極める目を養うことが、我々にも必要になってきている。

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