ピーチの滑り出しは快調だった。同社の発表によると、運行を始めた3月1日から1カ月間の平均搭乗率は、目標に掲げていた75〜80%を上回る83%だった。大手航空会社の平均搭乗率は「70%に達すれば御の字」(関係者)とされている中での“快挙”である。
「LCC第1号として世間の注目を集めた側面もあるでしょう。しかし、これでジェットスター、エアアジアと新規参入が相次げばどうなるか。それだけではありません。ピーチは5月8日から国際線の関西国際空港〜ソウル便を就航させた。これを機にアジア各国のLCCとのガチンコ対決が始まります。既存の大手航空会社を含めて、本当の意味での勝負はこれからです」(航空関係者)
主戦場と目されているのが、韓流ブームで人気を博している韓国線。日本航空、全日空はもちろん、KAL、アシアナ航空、デルタ航空、ユナイテッド航空、イースター航空などが既に就航しているほか、中国の大手、東方航空もLCCへの参入を表明、日本と韓国線就航に意欲を燃やしている。
「アジアの大手航空会社は遠からずLCCに市場を奪われて淘汰される。その次に待っているのはLCCの覇権争い。シタタカさでは一枚上手の中国と韓国のLCCが日本勢をシャブリ尽くす。そんな空恐ろしいシナリオが密かに囁かれています」(旅行会社役員)
ライバルの口車に乗ってLCCに飛びついた報いとならぬよう願いたいものだ。