ゴールした瞬間、平井アナの目から大粒の涙がこぼれた。タイムは5時間1分35秒。目標としていた5時間切りはわずかに及ばなかったが、フルマラソン初挑戦でこの記録なら大健闘といっていい。さすがは学生時代にバレーボール部で鍛えたど根性娘だ。
しかし独特の内股走法で42.195キロを走りきったダメージは大きく、“黄金のふくらはぎ”には痛々しいほどテーピングが巻かれていた。
それでも平井アナはツラそうな表情ひとつみせず、「沿道から『がんばれ、がんばれ』と声援が聞こえてきてとても嬉しかったです。本当に幸せです。喜んで飛び跳ねたいけど、足がパンパンでできない…(笑)」などと素直に喜んだ。
この日に向けて約4カ月間積み重ねた練習では、引退したQちゃんこと高橋尚子さんと並走するなどトップアスリートの走り方学んだ。やるべきことをやり、持てる力のすべてを出しきっただけに完走は嬉しかったのだろう。平井アナの父母と“そっくり”の姉もゴール前に駆けつけ、祖母のつくった小旗で出迎えられた。感動のシーンだ。
民放テレビ関係者は「来年の中継局は再び日テレとなる。今回ほんわか系のフジ平井アナが感動ランを呼んだことで、次に走る日テレ女子アナ軍団のハードルは高くなった。完走だけでなくタイムを求める流れになるだろう。各局とも持久走力のある新人アナウンサーを採用しなければ、そのうち視聴者の期待に応えられなくなるのではないか」と心配した。
視聴者はある意味残酷だ。同じようなサプライズでは満足しなくなり、さらに上をゆく感動を求めるようになる。しかし、いくら体力のある女子アナであっても、フルマラソンで好記録を叩き出すのは難しい。
石原慎太郎都知事(76)はレース前、ランナーに期待することを「無理をしないでもらいたい。それを願うだけ」と話していた。しかし、願いもむなしくこの日もタレントの松村邦洋(41)がレース中に倒れて病院に運ばれるハプニングがあったばかり。無茶なレベルアップにつながらないことを祈るばかりだ。
平井アナはゴール直後、報道陣に囲まれてもイヤな顔ひとつせず応じた。プロ根性のなせる業といっていい。しかし、質疑応答を終えた後は緊張感が途切れたのか、スニーカーの靴ひもがほどけたまま足をひきずるように歩いた。その脚線美には定評があるだけにファンはさぞかし心配だろう。
○平井アナのファッションチェック
平井アナのランニングファッションはキュートだった。トリコロールカラーのアロハ迷彩柄ひざ上スパッツに、黄色いミニワンピースふうのシャツを合わせた。アウターは白いパーカー。足元はシルバーの入った白いスニーカーで引き締め、美脚を隠さない短いソックスでまとめた。レース直前、栄養系ゼリーをチュウチュウ吸っていた。
ランニング中は、沿道に詰めかけた136万人の声援に終始笑顔を絶やさなかった。フジの中継でゲスト解説者の増田明美さんが「いつも平井さんの脚はきれいだとほれぼれしていた。ちょっと内股の走り方ですが見事です」などとほめちぎっていた。