永田巡査長は、少女が酩酊(めいてい)しているのに乗じ、浜辺のゴムボートで乱暴したとして準強姦容疑で逮捕された。しかし、大阪地検が8月22日、処分保留としたことなどを受け、府警は多数の海水浴客がいるのに、わいせつ行為をしたとする公然わいせつ容疑を適用した。
監察室によると、一貫して「無理やりしたわけではない」と合意の上での行為を主張してきた永田巡査長は「納得いかない」と話しているという。
最終的な刑事処分は決まっていないが、府警は「社会的反響は大きく、刑事処分の有無にかかわらず責任を取るべきと判断した」と説明している。
送検容疑は7月31日午後4時20分頃、大阪府貝塚市の二色の浜海水浴場の砂浜に置いたゴムボート上で、海水浴客らの前で下半身を露出し、泥酔状態の少女とわいせつ行為をした疑い。
一緒にいた他の布施署員4人のうち、沖のボート上で別の少女の胸を触るなどしたとして、25歳と22歳の巡査を、準強制わいせつ容疑で書類送検し、それぞれ停職3カ月と1カ月の懲戒処分とした。25歳の巡査は同日付で、依願退職した。
この他、浜辺に残った少女にキスした巡査長(30)を、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分とした。運転手役の巡査(23)はわいせつ行為に加わっていなかったが、永田巡査長の行為を目撃しながら、注意しなかったとして本部長訓戒にした。また、管理責任を問われた洲崎裕署長ら上司3人も、本部長訓戒とした。
監察室によると、事件発覚以降、約700件の苦情が府警に寄せられた。府警は残った3人を同署地域課から総務課へ配置替えした。3人は「仕事で償いたい」と話しているという。
(蔵元英二)