昨年、女芸人が総出演し、“女子力”を全面に押し出した『27時間テレビ』は視聴率9.8%と過去最低記録を更新。今回は、SMAPを起用し文字通り背水の陣で臨んだ。当然、この結果に局内は大盛り上がりかと思いきや、どうやら事情は違うようなのだ。
「喜んでいるのは、ジャニーズや番組制作を請け負った制作会社だけ。フジの編成関係者や制作幹部は正直、オロオロ状態ですよ」(関係者)
その理由は、投入された莫大な制作費にある。
「約15億円…。当然ですが赤字です。一番の出費はSMAPの出演で、3分の1に当たる5億円。中居正広が1億5000万円、木村拓哉が1億2000万円、香取慎吾8500万円、草なぎ剛が7500万円、稲垣吾郎が7000万円といった具合。これに、タモリや明石家さんまなどのギャラ、人件費、技術料が入ると、込み込みで約15億円になるんです。CM出稿料を差し引いてもウン億円の赤字になります」(関係者)
この金額があまりにも莫大で常軌を逸していることは、日テレの『24時間テレビ』と比較すれば一目瞭然。
「『24時間テレビ』は全て込みで約10億円。しかも、ただのバカ騒ぎではなくチャリティー番組。バラエティーであることを考えれば『27時間テレビ』は視聴率15%を取らないと、収支的には厳しい状況に追い込まれるんです」(関係者)
今回、SMAPが『27時間テレビ』で結果を出したことと併せて急浮上しているのが、昼のバラエティー番組『バイキング』の打ち切り問題だ。
「一旦は白紙になった『昼スマスマ』(仮題)の企画案が再浮上しているんです。番組内容は月曜から金曜までをSMAPのメンバー5人が仕切るというもの。現在、月曜日が中居、火水木は未定、金曜が木村の布陣で、話が現場レベルで進んでいるんです」(関係者)
ところが、この企画になかなかGOサインを出せないでいるのがフジ上層部。こちらも高額なギャラがネックになっているという。
「昼でもSMAPのギャラは高い。恐らく一人1000万円はマストの条件になるはずです。現在の『バイキング』の一本当たりの制作費約1300万円に当てはめれば、300万円で番組を作らなければならない。結果、制作費はアップし赤字はどんどん増えていく。これで視聴率が取れなければアウトですよ」(放送作家)
フジの苦悩はまだまだ続きそうだ。