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肺炎・心筋梗塞・狭心症の危険も… 放置厳禁! 菌が体内を蝕む歯周病の脅威(2)

 ここで、歯周病菌がリスクを高める疾患をまとめておこう。

 【狭心症・心筋梗塞】…心疾患はすでに述べたが、いずれも心臓の冠動脈にできる血栓によって詰まることが原因となる。歯周病が進行していると、これらの心疾患になる確率は3.6倍も高まるといわれている。

 【感染性内膜炎】…すでに心臓に病気がある場合、血液に入り込んだ歯周病菌が、人工弁や心内膜などに同菌が付着して増殖、感染性心内膜炎を引き起こす可能性がある。

 【糖尿病の悪化】…血管に入り込んだ歯周病菌によって炎症反応が起こり、インシュリン活動に障害が出る。その結果、血糖値のコントロールが制御できず、今度は口の中の歯周病菌が繁殖。ますます糖尿病が進み悪い循環に陥る。

 【肺炎】…寝たきりの高齢者などは、誤って唾液を気管に入れてしまうことがあるが、歯周病菌が多く含まれていると、誤嚥性肺炎を起こし、介護生活が長期化する可能性も起きる。

 【がん】…歯科学会の報告によると、最近では歯周病によってがんのリスクが高まる研究結果が出ている。

 「以前は歯周病菌が全身に影響を与えるなど考えられませんでした。今後も、血管内に歯周病菌が入り込むことで、さまざまな病気に影響を与えることが明らかになってくると思います」
 こう語るのは、東京社会医療研究所の村上剛主任である。そしてこんな一例を挙げてくれた。
 「日本人の死因の第2位といわれる心臓病。その代表的なものが心筋梗塞です。この病気は動脈硬化が進んだ中高年に多く見られ、高血圧や糖尿病、高ステロールなどが危険因子として挙げられます。加えて最近では、重度の歯周病にかかっていると心筋梗塞のリスク高まるという研究発表が報告されている。

 それを裏付けるように、ある患者を死後に解剖した結果、心臓の血管内から本来あるはずのない歯周病菌が発見され、歯周病が原因の心筋梗塞と診断されたケースがあり、衝撃を受けました。心臓病と歯周病は一見関係ないように思えますが、そうではないことが裏付けられた例です」
 ある歯科医師も言う。
 「虫歯や歯周病などの口のトラブルは、全身の健康にも大きな影響を及ぼし、命取りにもなることもあります。心筋梗塞などの予防のためにも、日頃から口腔ケアをすることが大切です。歯磨きは丁寧にしっかりと磨き清潔にしてください」

 多くの人は、毎日歯を磨く。まして、年齢を重ねれば歯周病や口臭を防ぐために気をつけているはずだが、それでも歯周病になってしまう。口臭や歯茎からの出血などに気付いた時は、歯科医院を受診して治療を受けることが肝要だ。

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