確かに、森喜朗元総理や小泉純一郎元総理が「足音を聞きお祓いした」など、首相公邸には2・26事件絡みの幽霊が出ると昔から酒席のツマにされてきた。だが、そうした噂にめげず、歴代総理らは公邸に引っ越した経緯があるからだ。
「ザッと挙げれば、野田佳彦は総理就任から29日、菅直人が10日、鳩山由紀夫が42日。自民党の福田康夫や麻生太郎も100日前後だった。ところが、安倍は150日を経過した今も東京・富ヶ谷の私邸から車で15分かけて出勤している。尖閣危機や北朝鮮のミサイル騒動がある中で、危機管理的にもおかしいというわけです」(政治部記者)
もっとも、民主党議員らが騒ぐ以前には「3月末に、いよいよ安倍総理が公邸に引っ越す」との情報も駆け巡ったことがある。それが頓挫した裏には、官邸筋がひた隠しにしたい理由があると見られているのだ。
自民党議員がこう語る。
「安倍さんは、第一次安倍内閣時代に総理就任61日で公邸に引っ越している。これを考えれば突き上げを食らうのは当然で、今では『占い師に止められた』とか、『私邸を離れたくない昭恵夫人との不仲説』まで囁かれている。ただこうした話は憶測の類いで、3月に引っ越しを検討した際に、医者から極力環境を変えることを止められたというのが、真相のようなのです」
安倍総理は第一次安倍内閣時代に潰瘍性大腸炎で辞任したが、この持病は心的ストレスで悪化するとも言われている。実際、春先には顔がむくみ、病状悪化も伝えられた。
「これに加え、'05年に改装された公邸も環境は悪く、福田元総理が『日当たりが悪くて風邪をひく』とこぼしたこともある。総理が引っ越さないのは、この環境の変化を嫌ってのことだと言われているのです」(同)
公邸に移ると、辞任が早まるということかも?