「開幕戦最初のカードで想定外のことが起きてしまいましたね」(球界関係者)
栗山英樹監督(56)が開幕マウンドに送ったのは、新外国人投手のロドリゲスだった。制球力の高さはオープン戦でも一目置かれていた。二刀流の大谷翔平は、もういない。昨年10勝のエース候補・有原航平も故障で出遅れてしまった。しかし、生え抜きの中堅投手が他にいないわけではない。
「でも、先発投手の頭数が足りません。故障から復帰した者、伸び悩んでいる者も頼りにしなければならない状況」(スポーツ紙記者)
2戦目も新加入のマルティネスだったが、先に失点し(6回2失点)、期待に応えられなかった。頼みの両外国人投手がコケたとなると、今年も日ハムは厳しい戦いを強いられそうだ。
「まだ始まったばかり。チームを立て直すには十分すぎる時間があります。先発陣の不安定さもありますが、もっと心配なのがリリーフ陣です。こちらも新外国人のトンキンを中心に考えており、つまりは当たりと外れのあるギャンブル状態で、それを補うのがベテランの宮西尚生と経験値の少ない石川直也、田中豊樹など。増井浩俊、マーティンが抜けたブルペンは火の車になりそうです」(同)
昨季のチーム低迷の原因は、投打の主軸だった大谷を怪我で欠いたため。「大谷ロス」は今季も変わらないが、優勝圏内から脱落した時の日ハムは決断が早い。シーズン途中にもかかわらず、'17年は次年度以降を見据え、若手中心の起用に徹した。投手陣の立て直しが出来なかった場合は、「将来のため」に、清宮の一軍昇格が前倒しされるだろう。
「清宮は限局性腹膜炎でリハビリ中。首脳陣は健康面を考慮し、無理をさせないつもりです」(前出・関係者)
「無理をさせない」とは、一軍昇格を見送ったという意味ではない。本格的な練習を再開させるまでの間、「焦らすようなことはしない」ということだ。
「10歳以上も離れたオトナと野球をやり、何かと気苦労があったようですね。栗山監督は将来を見据えて、『一塁・清宮、DH・中田翔』でシーズンに望む予定でした。そういう期待に応えようとし、精神的に疲れてしまったことも病気の遠因となりました」(同)